猫の夏バテには水分補給を!水分不足の防止法

厳しい夏の暑さは人間だけでなく猫にとってもきついものです。

適切な暑さ対策を行わないと、夏バテになってしまうこともあります。

特に危険なのは水分不足です。

水分不足は夏バテだけでなく、膀胱炎や尿石症、腎不全といった深刻な病気を引き起こすこともあるため絶対に避けなくてはなりません。

しかし水分不足から夏バテになると、余計に水を飲まなくなるという悪循環も起こり得ます。

そこでここでは、水分不足チェックや水の飲ませ方など、夏バテ防止に欠かせない猫の水分補給について解説します。

猫の夏バテは水分不足が原因

うちの猫は日頃からあまり水を飲まない、と思っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

猫のルーツは砂漠やジャングルで暮らしていたリビアヤマネコです。

砂漠などの乾いた気候に適応していたことから、現在でもあまり多くの水分を必要とはせず、1日に体重1kgあたり6070mlの水分を摂れば十分とされています。

これは飲み水だけでなく、ウェットフードなどの食べ物から得られる水分も含むので、

通常の場合であればそんなにたくさん水を飲まなくても心配する必要はないでしょう。

ただし、夏の暑さが厳しくなる頃、あまりにも水を飲まなくなるようであれば要注意です。

猫は元々水を飲む量が少ないため、普段と比べて水分の摂取量が減っているかどうかをチェックするのは難しいかもしれません。

しかし、元々必要な水分量が少ないということは、ちょっと不足しただけでもすぐ脱水症状を起こしてしまうリスクがあるということです。

こうした理由から、水分不足は猫の夏バテを引き起こす大きな要因となっています。

猫の水分不足を防ぐためには、普段から水を飲む量をチェックしておくことが大切です。

また、脱水症状を起こしているときはおしっこの量が少なく、トイレに行く回数も少なくなります。

これも異常かどうか判断するためには、普段の排尿量や回数をきちんと把握しておくことが重要です。

猫の夏バテ対策に水を飲ませるコツ

猫はあまり多くの水を飲みたがらない生き物ですが、夏の間は夏バテを防ぐためにも特に意識して水を飲ませるようにしなくてはなりません。

気まぐれな猫に水を飲んでもらうためにはいろいろな工夫が必要です。

まず、猫が水を飲みたいと思ったときにすぐ飲めるよう、水の置き場を増やしましょう。

ご飯はいつも同じ場所に置いているから水も場所を変えないほうがいいのでは、と思うかもしれませんが、猫は必ずしもご飯のときに水を飲むものとは限りません。

せっかく水を飲みたいなと思っても、その場にないためにやめてしまうこともあるのです。

そうしたことのないよう、家の中の何カ所かに水を置いておきましょう。

雑菌の繁殖を防ぐため、水はこまめに取り換え常に新鮮に保つのも重要です。

また、猫はとても神経質な生き物です。

常温、冷水、ぬるま湯などいろいろ与えてみて猫の好みの温度を知り、それに合った水を置くようにしましょう。

水を入れる器には陶器やガラスなど様々な素材のものがありますが、これも猫によって好みがあるので把握しておきたいところです。

ひげが器に触れるのを嫌がる子もいるので、器は口の広いものがおすすめです。

蛇口から流れる水を飲みたがる猫もいるように、猫は流れる水が好きですから常に水が流れる仕組みになっている給水機を使うのも良いかもしれません。

猫の夏バテ対策に水分たっぷりのご飯がおすすめ

水分は水を飲むだけではなく食事から摂ることもできます。

いろいろ工夫をしても十分に水を飲んでくれないときは、ご飯から水分を摂れるようひと工夫するのがおすすめです。

普段ドライフードを中心に与えているという方も、夏場は水分豊富なウェットフードを積極的に与えるようにしてみましょう。

フードに含まれる水分量は、ドライフードが10%なのに対しウェットフードは80%と多いので、水分補給にはうってつけです。

ご飯が変わることで猫の食いつきが良くなることもあります。

逆に変えたことで食べなくなってしまうようなら、以前のフードと混ぜて少しずつ慣らしてみるのがおすすめです。

どうしてもウェットフードを食べない場合は、ドライフードに水やお湯をかけてふやかすという方法もあります。

こうすると水分を摂取できるのと同時に、フードがやわらかく食べやすくなるので猫が食欲不振のときには適した方法です。

夏は猫も食欲が減退しがちですが、水分不足だけでなく栄養不足も夏バテの原因となります。

もしご飯をあまり食べてくれないようなら、ささみなどお気に入りのトッピングを混ぜて食欲増進を図りましょう。

食事のほかに、水分の多いフードをおやつとして与えるのもおすすめです。

また、子猫やシニアの猫であれば猫用ミルクを与えるというのも一つの方法です。

猫が夏バテ対策には涼しい環境も重要

猫は汗腺が発達していないため、人間のように暑いときに汗をかいて体温を調節するということができません。

そのため体に熱がこもりやすく、それが脱水症状や夏バテを引き起こす一つの原因となっています。

したがって、暑さをしのげる涼しい環境づくりは、猫にとって人間以上に大切なものといえます。

室内の温度を快適に保つためには、エアコンを使うのがベストです。

ただし温度が低すぎるとかえって体調を崩してしまうこともあるので、設定温度は28度程度にしましょう。

また、猫はエアコンの風が直接当たるのを嫌うので、サーキュレーターを使って部屋全体の温度を下げるようにするのがおすすめです。

扇風機は猫が人工の風そのものを嫌うのと、汗腺が少なく人間のように風で涼しく感じることがないのであまり効果はありません。

また、猫は自分で涼しい場所を探し出すのが得意です。

部屋の扉はできるだけ開け放ち、家の中を猫が自由に移動して快適な場所を探せるようにしておきましょう。

玄関やお風呂場などは特に好まれる場所ですが、脱走や事故などのないよう十分な対策をしておく必要があります。

また、冷えたときにすぐ温まれるようブランケットを置いておくなど、猫が自分で暑さ寒さをうまく調節できるような工夫も大切です。

過ごしやすい環境を整え水分をしっかり補給して猫の夏バテを防ごう

エアコンを適切に使って快適な温度を保ち、水分をきちんと摂る、というのは人間の夏バテ防止にも大切なことです。

ただ、人間は自分で何とかできますが、猫は辛くても言葉で伝えることすらできません。

そのため日頃から飼い主さんが猫の好みや水を飲む量などをきちんと把握し、異常を早期に発見することが大切になります。

そのうえで、猫が過ごしやすい快適な環境を整え、ご飯や水に工夫をして水分不足にならないようにしていくことが必要です。

今回解説した内容を参考に、ぜひ猫の夏バテを防いでいきましょう。