猫の夏バテ対策になる食事の選び方・与え方

猫を飼っている場合において、6月から9月にかけて注意してほしいのが夏バテです。

基本的に猫の夏バテの症状としては息遣いが荒くなって食事量が減るという状態から始まり、症状が進行すると嘔吐や下痢そしてその場から動けなくなるなどの状態になります。

異常気象で32度以上になる日が多く、その気温に猫が対応しきれずに体調を崩すことが増えているのです。

夏バテは時に命にかかわるので、大切な猫を夏バテから守るためにこの記事では猫の夏バテ対策になる食事の工夫をいくつか紹介します。

猫の夏バテ対策になる食事の工夫1. 水分を多く飲ませよう

猫が夏バテをする理由の一つに、暑さに対応するために汗を大量に出すことで脱水症状を引きおこしている場合です。

脱水症状を解消するためには、やはり水分補給が欠かせません。

夏バテが軽症で自分で動ける場合には、お皿に大量の水を入れて飲ませるかペットショップで販売されている自動給水器を使って飲ませます。

しかし夏バテがひどくて自分で飲めない場合には、そして猫が夏バテで衰弱をしている場合には、常温水だけを与えるのは危険です。

もし衰弱をしている場合には、常温水に小さじ一杯の砂糖と塩そして柑橘類のしぼり汁を加えて作る「経口補水液」を作ってあげます。

経口補水液は猫の体に吸収しやすいので、弱った体を回復させるのに役立ちます。

ただし飲ませすぎは腎臓に負担をかけてしまうため、少量ずつ様子を見ながら噛まれないように口を開けたうえでスプーンで飲ませるか、もしくは赤ちゃんの時期に使う哺乳瓶で飲ませてあげるとよいです。

水を与える際に注意してほしいのが、氷や冷蔵庫で10度以下にまで冷やした水を与えるのは厳禁です。

冷たく冷やしすぎた水を猫に与えてしまうと、その冷たさに胃と腸が弱ってしまい栄養の吸収を阻害してしまいます。

そのため水を与える時には、必ず水温が10度以上30度未満の常温水を与えることが重要です。

猫の夏バテ対策になる食事の工夫2. スープやミルクとセットで食べさせよう

夏バテで食欲不振を起こしているときに、ドライフードでは消化不良を起こしてしまう場合があります。

夏バテの症状で食欲が落ちている場合には、スープやミルクとセットで食べさせるとよいです。

ドライフードだけだと消化に時間がかかってしまいますが、スープやミルクとセットで食べさせることで水分補給と同時に胃の中で柔らかくすることができます。

特に汗を出すとミネラル分を失ってしまうため、ミルクを飲ませることで補給させてあげることができます。

そしてスープも鰹節などアミノ酸を多く含ませることで、血管の中に残っている疲労物質の分解を促進し体調の回復に役立つのです。

猫の夏バテ対策になる食事の工夫3. ウェットフード

夏バテがひどくて全く食事をしない場合には、無理をせずにウェットフードを活用しましょう。

ウェットフードは、食材を加熱した後に水分を残したまま袋詰めした物とスープと一緒にミキサーで攪拌をしてゼラチンで固めて作るジュレタイプに分かれます。

このウェットフードは消化吸収に優れており、1歳から2歳の子猫の時期や歯や飲み込む力が弱くなった老猫の年齢になった時に手軽な栄養食として用いられています。

そのため夏バテで胃腸が弱った猫でも、このウェットフードであれば負担を気にせずに食べさせることができます。

しかし猫は普段食べ慣れていないものは警戒をしてしまい、健康のために食べさせてあげたくても食べてくれない場合があります。

その場合には、少量だけ食べ慣れているドライフードを混ぜて食べさせてもよいです。

ウェットフードは水分を多く含むため、特に夏場は傷みやすいので注意しましょう。

もし猫が食べきれなかった場合には、もったいないからと保存はせずにすぐに廃棄してしまうのが安全といえます。

猫の夏バテ対策になる食事の工夫4. 手作りご飯

ウェットフードは夏バテで弱った猫の食事に最適ですが、ただ保存性以外でもうひとつデメリットを挙げるとすればコストがかかることです。

そのためコストを考慮して夏バテを改善したいのであれば、量などを調節ができる手作りご飯を与えるという手段もあります。

手作りご飯のメリットは、市販品と違って余計な添加物が入っていないことです。

市販品の多くは長期間の保存を可能にするためや食材のコストを安くするために、保存料や直食糧そして猫の食生活にない食材を加えていることが多いです。

これらの添加物は決して猫の体に良いというわけではなく、特に夏バテで弱っている体では添加物が影響してよりひどくなるリスクがあります。

現在では飼い主のために猫専用のレシピ本やインターネットで料理が紹介されていますが、

その中から夏バテに最適なメニューとして紹介するのが「鶏肉の親子丼風」です。

用意する食材は、鶏の胸肉50グラムと卵一個とニンジンやカボチャなどの緑黄色野菜を用意します。

鶏肉と野菜を包丁で一口大に切った後に、耐熱ボウルに入れて600ワットの電子レンジで3分加熱します。

鶏肉に火が通っていないと食中毒の恐れがあるので、一度取り出したらスプーンで混ぜて再び3分ほど加熱します。

電子レンジから取り出したら、鶏肉を一つだけ取り出して包丁で切ってみて中身に火が通っていることを確認します。

火が通っていることを確認出来たら、温かいうちに卵一個を割り入れて混ぜた後に一分だけ電子レンジで加熱します。

卵が加熱されて固まったら取り出して、猫に与える前にしっかりと冷やしたうえで完成です。

もし猫の体調が悪く固形物が食べられない場合には、出来上がった鶏肉の親子丼風に無添加のチキンスープを入れた後にミキサーで流動食にするにも手です。

この料理は鶏肉のたんぱく質に加えて、卵のアミノ酸と緑黄色野菜に含まれているビタミンとミネラルを吸収できるので夏バテに最適なメニューです。

このようにあらかじめ食材の栄養を調べて手作りをすれば、猫の体調に合わせて最適な食事を提供することができます。

あまりにも症状がひどいなら動物病院へ

 

異常気象により32度を超える猛暑日を観測する日が多く、猫が暑さに対応できず体調を崩す機会が増えています。

夏バテをした時には紹介した方法で対処することができますが、ただ紹介した方法はあくまで食欲不振や元気がないといった初期症状までが目安です。

もし下痢や嘔吐そして寝込んだまま動けないのであれば、熱中症など重大な状態に進行している恐れがあります。

その状態を確認したら、無理をせずに動物病院を受診して治療を受けさせてあげることが飼い主の責任です。