アレルギー持ちの猫は療法食を食べる?

猫には様々な病気があります。普段と違う異変を感じた時は、すぐに動物病院へ連れていき、適切な治療を受けなければいけません。

病気によっては外科手術や薬の投与で完治するものもありますが、じっくり時間をかけて向き合っていかなければいけない疾患もあります。

病気との長い付き合いが予想される時によく用いられるのが療法食で、例えばアレルギー持ちの猫に対応した療法食も数多く出ています。

この記事ではアレルギー持ち用の療法食の特徴や、アレルギーを食事療法で治す方法などについて解説していきます。

猫用の療法食とは?

猫用の療法食とは、特定の疾患や健康状態に対応すべく栄養バランスを調整したフードを指します。

猫がかかりやすい病気と言えば、腎不全や下部尿路感染症、尿路結石、アレルギーなどがありますが、もちろんこれらの疾患に対応できる療法食も出ています。

高い効果が期待出来る療法食ではありますが、メーカーによって成分や配合されている割合は異なり、個々の症状によって栄養管理の内容も違ってくるので、素人判断で購入するのはリスクが大きいです。

良く似たものに「機能性キャットフード」などがありますが、これは健康を維持するために栄養素を考慮したもので、病気の改善や予防効果までは見込めません。

一方の療法食は食事で症状を改善させていく事を目的に作られており、中には極端な栄養制限を設けているものもあります。

基本的に療法食は短期間の治療に用いられるもので、ダラダラと続けたり、ちょっとした体調不良で気軽に手を出すものではありません。

ホームセンターや通販などで購入できますが、飼い猫の症状に合っている療法食や、そもそも療法食を使っても良いのかについては、事前に動物病院に相談しておく必要があります。

正しく安全に取り入れたい場合は、動物病院にて療法食を購入し、医師の指示を受けながら使った方が良いかもしれません。

必ずしもアレルギー持ちの猫は療法食を食べる必要はない

赤いブツブツが出来たり、頭や体を執拗に掻く様子が見受けられる時は、アレルギーの可能性があります。

もし猫のアレルギーに対応している療法食を使う際は、まずどのタイプのアレルギーなのかを見極めなければいけません。

ちなみに猫のアレルギーには花粉やカビ、ダニが原因となるアトピー性皮膚炎、ノミの唾液に反応するノミアレルギー性皮膚炎、そして食べ物が原因の食物アレルギーに分かれますが、アレルギーのタイプによって適した療法食も変わってくるので、まずは動物病院で診断を受けておく必要があります。

 

ノミアレルギー性皮膚炎は食事での治療は困難とされていますが、食物アレルギーには療法食が有効です。

ただし必ずしも療法食を食べなければいけないという訳ではありません。

普段食べ慣れているフードと味や風味が違うと感じると、拒否反応を示し、全く食べてくれない可能性も出てきます。

無理やり食べさせるのは猫に強いストレスを与え、飼い主にとっても負担に感じるものです。

嫌がるものを無理強いする必要はなく、飼い主がアレルゲンを排除した食事を作って与えても問題ありません。

アレルギー持ち用の療法食の特徴

アレルギー持ち用の療法食は、アレルゲンを徹底的に排除して作られています。

猫の食物アレルギーの原因として考えられるのは肉や魚、乳製品などのたんぱく質、小麦や穀物、大豆などの穀類ですが、特にたんぱく質でアレルギー反応を起こす猫が多いです。

魚は大丈夫だが肉を食べると下痢になるといった猫もいれば、肉も魚も食べられるが乳製品はアレルギー反応が出るといった猫もいます。

猫によってNGとなる食材は様々ですが、実はアレルゲンを突き止めるのは困難な作業です。

血液検査などで原因と考えられるものをいくつかピックアップ出来ますが、アレルゲンとなっているものを断定するまでは出来ないのです。

 

アレルギー反応が出ないようにするには、アレルゲンの排除が必要ですが、たんぱく質は健康維持に必須の栄養素であり、食事から取り除く事は出来ません。

そこで役立つのが療法食という訳です。療法食は、通常のペットフードには用いられていないたんぱく質が使用されています。

例えば「加水分解大豆たんぱく」は、体がアレルゲンと認識できないほどたんぱく質が分解されており、アレルギーを引き起こす可能性も少なくなります。

また七面鳥やシカ肉、カモ肉など、普段は食べない食材が用いられているものもあります。

各メーカー、商品によって第一主原料は様々ですが、基本的にアレルギー対応の療法食は、たんぱく源を限定して作られているという特徴があります。

アレルギー持ちの猫が食事療法で治す方法

療法食はアレルゲンと考えられる食材が排除されているので、安心して与えられるというメリットはあります。

もし療法食を使う際は、医師に相談してから使用を開始する事、そして療法食以外の他の食べ物を一切与えないことが鉄則です。

療法食のみで過ごすと、アレルギー症状も劇的に緩和されます。

そして療法食を完了した後は、1種類ずつ違うたんぱく質を食事に加えていきます。

何も反応が無ければ食べても良い食材、皮膚や消化器官に何らかの症状が出た場合はアレルゲンと特定できます。

食物アレルギーは完全に防げるものではなく、特に新しい食材を与える時は注意が必要です。

普段と違う様子が見られないか注意深く観察し、何か異常がある時は速やかにかかりつけ医に相談するようにします。

余計な添加物を与えたくないと考えるなら手作りでも良いですが、市販のものでも低刺激食品なら過度な心配は不要です。

添加物不使用のフードも多く、穀物不使用のグレインフリーなら、穀物アレルギー予防にも有効です。

また同じ食材を食べ続けると偏りが生じるため、アレルゲンは排除した上で色々な食材をローテーションして与えていく事も再発防止には大切です。

毎日の食事に気を配ってアレルギーから守ろう

食物アレルギーは食べ物が原因となっています。

特に安い粗悪なキャットフードを食べ続けると、栄養過多になって消化吸収しきれず、アレルギー症状が出てしまうケースが多いです。

もしアレルギーが出た時はすぐに動物病院を受診し、適切な治療を受けなければいけません。また療法食は安心して与えることができ、アレルゲンを突き止める際にも役立ちます。

アレルゲンを特定出来れば食事から排除し、色々な食材をローテーションしていく事でアレルギーの再発防止、健康維持にも繋がります。