消化器疾患のための猫用療法食の特徴

下痢やおう吐などの症状が出るため発見しやすい消化器疾患は、病気や症状に適した療法食を用いて治療を行うことがあります。

猫用の療法食はたくさんの種類が市販されておりホームセンターやネット通販などで手軽に購入することが可能です。

療法食には成分など共通した基準が定められておらず各メーカーによって多少の違いがあり、安心して効果的に療法食を食べさせるには獣医師が処方したものやアドバイスに基づいて行うことが大切です。

猫用の療法食の特徴や購入方法、食べてくれない時の工夫などについて解説します。

消化器疾患の猫が療法食を必要とする理由

消化器疾患は食物の消化や吸収が妨げられたり、消化管の通過に変化が起こったりする疾患で胃や腸に影響を及ぼすものです。

消化管が炎症する急性胃腸炎や子猫に多くみられる大腸が炎症を起こす大腸炎、下痢や便秘など多くの種類があります。

なかには特定の消化器官に問題を起こしやすいレックスやスフィンクスといった品種もいます。

特に子猫は成長のために多くのエネルギーを必要とするわりに消化機能が未熟なため消化器疾患をよく引き起こすものです。

猫も人間と同じように病気を回復するには食べ物から栄養を取ることが大事です。

しかし栄養を摂取する消化器官が正常に機能していないのであれば、いつもの食事のままでは余計に負担をかけたり、食べることが困難になったりしてしまいます。

そこで各病気や症状ごとに調整された療法食が必要となるのです。

消化器官に負担をかけないよう消化をよくしたもの、食べる量が少なくても適切な栄養が接種できるものなど症状に合わせたものがたくさんあります。

消化器疾患の猫向け療法食の特徴

一般的に療法食は獣医師の処方に基づいて与えるものなので、飼い主が勝手に選んで与えると猫の症状にマッチせず余計に体調を悪くしてしまう恐れがあります。

療法食は、それぞれの症状や病気の治療を助けるために栄養などを調整したキャットフードです。

消化器疾患の猫用の療法食にはどんな特徴があるのか見ていきましょう。

消化器疾患用の療法食には「消化がよい・少ない量でも高カロリー・猫好みの味」という3つの特徴があります。

食べ物を消化する機能が衰えているということは、いつもと同じ食事では摂取が難しいので消化しやすい原材料を使うなどの工夫が必要です。

次に消化器官が弱っていることで食欲が落ちてしまい少量しか食べられない場合でも必要な栄養素が摂取できるよう少ない量でも高カロリー摂取できるように調整していることです。

あとは猫が好む味付けにして食欲を無くしていても少しでもたくさん食べられるような工夫がされています。

療法食は医薬品ではないので薬事法で規制されることはありません。

共通した成分基準というものはなく各メーカーが論文や文献などをもとに生産し、大手メーカーであれば自社研究結果をもとにして作っているのが現状です。

そのため同じ病気や症状向けのものであっても全く違う栄養成分を含んでいることがあります。

療法食はたくさんの種類が市販されており手軽に手に入れられるものですが、安全で効果的に使用するには獣医師のアドバイスや指示に従うことが重要です。

消化器疾患の猫向け療法食の購入方法

猫向けの療法食はネット通販やホームセンターなどでたくさんの種類が市販されています。

最近ではインターネットの普及により海外製の安くて効果が高いとされている療法食のフードも簡単に入手することが可能です。

獣医師の指示がなく簡単に購入できてしまうことが問題視され、流通を整備する動きが進められているそうです。

それぞれの症状や病気に合わせて栄養成分などが調合された療法食は薬との兼ね合いを考えて適したものを処方することが大切です。

疾患ごとに細かく種類がわかれていますが、共通した基準はなくメーカーによって内容が違っていることがあります。

同じ病気や症状向けであれば成分は似たものであることが多いのですが、まったく異なる成分で構成されていることもあるのです。

なかには療法食としていても内容成分は総合栄養食とたいして変わらないものや内容成分がよくわからないマイナーなメーカーというものもあります。

 

療法食は治療の助けや症状を緩和してくれる心強いものですが、病気にマッチしていなかったり健康な猫が食べるとかえって健康を害したりして危険な状況を引き起こすことがあるため飼い主の判断で購入することはおすすめできません。

必ずかかりつけ獣医師の指示やアドバイスのもとで信頼できるメーカーの療法食を紹介してもらい購入するようにしましょう。

消化器疾患の猫向け療法食を食べてくれない時は

病気や症状の緩和や治療の役に立つ療法食ですが、猫が嫌いで食べてくれない場合やアレルギー食品を含んでいて与えることができない場合があります。

いきなり療法食に変えると驚いたり戸惑ったりして食べないということも珍しくありません。

食べるまで待っていては病気や症状が進行するでしょうし、食べないことは健康を害することにもなりかねません。

消化器疾患用の療法食は猫の興味を引きつけ食欲が増すような工夫が必要です。

今食べているフードを全部療法食に変えるとびっくりして拒否反応を起こしてしまうので1割程度の療法食を混ぜて、様子を見ながら少しずつ量を増やしていきましょう。

ゆっくり時間をかけて1週間~10日くらいで行います。また療法食をあたためたり、お湯でふやかしたりすると香りが増すので食欲増進となる場合があります。

このとき、猫がやけどしないようにあたためる温度に注意しましょう。

好きな食べ物をトッピングするという方法もあり、味付けしていないチキンスープやマグロ、トッピング専用のキャットフードを添えてみましょう。

あくまで療法食を食べるきっかけに使うものなのでトッピングなしでは食べられないとならないように注意が必要です。

いずれの方法を取るにしても、まずはかかりつけの獣医師に相談することが大切です。

飼い主が勝手に行うのは効果が出ないばかりか病気や症状が悪化するなど危険なことにつながる可能性があります。

消化器疾患の猫には療法食で治療をサポート!

獣医師の処方により安全で的確な治療効果を 猫の消化器疾患は腹部の膨脹、おう吐や下痢などわかりやすい症状なので比較的早く発見できるものです。

消化器官の衰えにより普通の食事が難しくなり療法食を用いて治療を行います。

療法食は多くの種類が市販されており手軽に手に入れられますが、成分の基準がなく同じ病気に対してもメーカーによって成分にバラツキがあります。

飼い主が安易に選んで療法食を猫に与えることは場合によっては病気や症状が悪化するなど健康被害をもたらしかねません。療法食を与える際には必ずかかりつけ獣医師に処方してもらいましょう。