大型猫のためのキャットフードの選び方を徹底解説

 

猫を健康に育てるために欠かせないキャットフードですが、正しいキャットフード選びをしないとかえって猫の不調につながることもあります。

特に大型の猫に与えるキャットフードは、一般的な猫に与えるものとは異なった栄養素が求められることもあります。

そこで、この記事では猫の年齢に合わせたキャットフードの選び方をはじめ、大型の猫に特に必要な栄養素やキャットフードの特徴、また、不調を招かないために大切なキャットフード選びのポイントをご紹介します。

 

キャットフードの選び方とライフステージの関係性

キャットフードには多様な選択肢があり、どれを選べば良いか迷ってしまうことも少なくありません。

一方で、キャットフードの選び方には、選ぶ基準となる大切な目安があります。

その選ぶ基準の目安とは、猫のライフステージです。

ライフステージとは、猫の成長度合いや世代のことを指します。

猫はライフステージによって必要とする栄養素が変わることもあるため、ライフステージを意識したキャットフード選びは大切です。

猫のライフステージは大きく3つの段階に分けることができ、

  • 1段階目が「成長期」
  • 2段階目が「維持期」
  • 3段階目が「高齢期」

です。

成長期

まず、生後50日から1年ほどの期間が猫の成長期に当たります。

この時期は発育期とも呼ばれ、骨や筋肉、様々な臓器が発達する猫の成長において重要な期間です。

さらに、成長過程であると同時に、運動量が多い時期という特徴もあります。

そのため、この時期に与えるキャットフードは、高タンパクで高カロリーのものが望ましいでしょう。

また、必須栄養素であるタウリンや骨の発達に欠かせないカルシウム、リンなどのミネラルも成長期の猫にとって重要な栄養素であるため、十分に与える必要があります。

一方、成長期の猫は消化器系も成長途上であるため、与えるキャットフードの栄養バランスに配慮するとともに、消化しやすいものを選ぶことも大切です。

維持期

次に、1歳から7歳ほどの期間が維持期に当たります。

この時期は成猫期とも呼ばれ、人間でいう成人期を指します。

猫によって多少の違いはありますが、猫は一般的に1歳半ほどで成猫になります。

3歳くらいまでは運動量も多く活発に過ごすことが多いですが、その後少しずつ活動量が減少していくというのが維持期の特徴です。

この時期は、それぞれの猫の適正体重を維持することが重要です。

猫の体質を見極め、それぞれに合った食事量やカロリーを考えてキャットフードを与える必要があります。

維持期にはタンパク質や脂質、ビタミン、ミネラルといった基本的な栄養素の他に、DHAEPAといった栄養素も重要です。

また、毛玉の抑制に役立つ食物繊維や皮膚や被毛を健康的に保つのに必要なビオチンなども大切な栄養素だと言えます。

高齢期

最後に、8歳以上の猫が属するライフステージが高齢期です。

高齢期の猫は基礎代謝や運動量が減少するため、成長期や維持期の猫と比べると必要とするカロリーも減少します。

加えて、この時期になると体の機能が徐々に低下してくるため、高齢期の猫に適したキャットフードを選ぶことが大切です。

高齢期の猫に与えるキャットフードの特徴は、カロリーや脂質が抑えられ、同時に腎臓への負担に配慮した栄養バランスになっていることです。

アミノ酸スコアが高い良質なタンパク質が十分に含まれていたり、リンの含有量が抑えられているものなどが特に腎臓に配慮したキャットフードだと言えます。

その他にも、抗酸化作用の高い栄養素や関節炎に配慮した栄養素を必要とするのも高齢期の特徴です。

大型猫のキャットフードの選び方は食事と密接な関係がある

キャットフードに使われている原材料だけではなく、キャットフードの粒の大きさも猫によって好みが違います。

噛む力が強く、必要なエネルギー量が比較的多い大型の猫種に与えるキャットフードは、一般的に粒の大きなキャットフードが適していることが多いでしょう。

通常サイズのキャットフードよりも2倍近い大きさのキャットフードもあるため、猫の大きさや好みに合わせて選ぶことが大切です。

粒が大きいキャットフードは硬めに作られていることも多いことから、噛む力が強い大型の猫種にも適しています。

加えて、しっかり噛んで食べることで、早食いの予防や食事を通したデンタルケアの効果も期待できるので、そうしたことを意識してキャットフードを選ぶこともポイントです。

大型猫のキャットフードの選び方のポイント

大型猫の中には、肥大型心筋症という病気になりやすいリスクを持つ種類もいます。

そのため、肥大型心筋症の予防効果が期待できる不飽和脂肪酸が十分に摂取できるキャットフードを選ぶことも大型猫のキャットフードを選ぶ際のポイントです。

また、大きな体を支えるのに必要な丈夫な関節を作るため、グルコサミンやコンドロイチン硫酸、また関節の炎症を抑えるEPADHAなどが必要量摂れるキャットフードを選ぶことも重要です。

加えて、大型の猫は体を維持するのに必要なエネルギーが比較的多いと言えます。

猫の主なエネルギー源はタンパク質であるため、十分な量のタンパク質が摂れるキャットフードを選ぶことも大型の猫に与えるキャットフード選びのポイントです。

大型の猫のキャットフードの選び方を間違えると起こる問題

大型の猫種の中には、小さい粒のキャットフードを苦手とする猫もいます。

これはキャットフードの粒が小さいことで食べるときに丸呑みしてしまい、食後に吐く原因になることが主な理由です。

そのため、猫に合わせてキャットフードの粒の大きさを選ぶことは単なる猫の好みの問題ではなく、健康にかかわる大切なポイントです。

また、猫の主なエネルギー源はタンパク質や脂質ですが、そうした栄養素を含む肉や魚由来のキャットフードばかり与えると、腎臓や肝臓に負担をかける場合があります。

そこで、同時に炭水化物を含むキャットフードも与えることで体の負担に配慮しながら、エネルギー源となる栄養素を猫に与えることが可能になります。

ただ、炭水化物は吸収性に優れる栄養素であるため、必要以上に与えると猫の体重が増えすぎて肥満気味になることもあり得ます。

したがって、大型の猫だからといって、必要以上に栄養を与えることは避けるべきでしょう。

大型の猫が肥満になると関節にかかる負荷が増え、大きな体を支えきれなくなるなど体の不調を招きかねないため、注意が必要です。

 

猫のライフステージと大きさに合わせたキャットフード選びの重要性

 

キャットフードを選ぶ際は、猫のライフステージが成長期、維持期、高齢期のいずれに当たるのかを考えることが大切です。

ライフステージによって必要とする栄養素が違うため、猫の年齢に応じてキャットフードを見直す必要があります。

また、大型の猫のキャットフードを選ぶ際は、必要なカロリー量や大型の猫種に多い病気を予防するのに効果的な栄養素が摂取できるものを選ぶことも重要です。

さらに、必要に応じてキャットフードの粒の大きさを調整しつつ、適切な食事で肥満にならないよう管理しましょう。

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