猫も人間と同じようにフケが出る生き物ですので、もし飼っている猫から多少フケが出ていたとしても、何も不思議がることではありません。
しかしフケの量がいつもと違って大量だった場合には、注意が必要です。
「単なるフケだから気にしなくても大丈夫だろう」と油断していたら、「愛猫に病気が隠れていた」なんてことになりかねないからです。
この記事では、猫のフケが増えてしまう様々な原因をお伝えすると共に、フケが増えないようにする予防法や、フケを改善するキャットフードの選び方について解説します。
猫のフケが増えるのは病気が原因?
人間の皮膚が新陳代謝によって新しく生まれ変わるのと同じように、猫の皮膚も古いものから新しいものへと生まれ変わります。
このとき古くなって剥がれ落ちた皮膚が「フケ」です。
猫からフケが出るのは生きている以上当たり前のことで、フケが出ること自体は決して悪い事ではありません。
しかし、フケが過剰に発生しているとしたら、注意が必要です。
さらに大量のフケだけでなく、脱毛や湿疹、赤み、かゆみが伴っている場合には、病気の可能性があります。
この場合に疑われる病気は皮膚炎で、発症の原因としてアレルギー、真菌への感染、ストレスが考えられます。
アレルギーによる皮膚炎は、ノミやダニなどの寄生虫や食べ物、ハウスダストなどのアレルギー原因物質(アレルゲン)に起因して発症します。
また皮膚に真菌(カビ)が感染すると「皮膚真菌症」と呼ばれる皮膚炎を起こすことがあります。
強いストレスも、猫が皮膚炎を起こす原因になります。
猫は環境の変化や大きな音など、強いストレスを感じると、それを紛らわすために体を必要以上に舐めまわすことがあります。
猫の下はザラザラしているため、舐め続けた部分が荒れ、皮膚炎を起こすのです。
皮膚炎の疑いがある場合はひとりで判断せず、早めに獣医の診察を受けるようにして下さい。
猫のフケが増える病気以外の原因とは
猫のフケが急に増えてしまうのには、病気以外にも様々な原因があります。
高齢である
もともと猫は綺麗好きな生き物で、一日に何回も毛づくろいをして毛並みを整えます。
この毛づくろいがフケ防止につながっているのですが、高齢になってくると運動量が低下したり関節の可動域が狭くなったりすることから、毛づくろいの回数が減ってしまい、フケが増える原因になることがあります。
また高齢になると新陳代謝が低下し、皮膚の生まれ変わりのサイクルが乱れるため、フケが多く出てしまうケースも。
さらに加齢によって皮脂の分泌量が減って乾燥肌になる傾向があり、これもフケが増える原因になります。
食生活
フケが多いのは栄養の偏りや栄養不足が原因かもしれません。
またダイエット用のキャットフードは脂質が少ないため、皮脂の分泌量が減ってフケが増える原因になります。
乾燥
冬になると人間の肌はカサカサになりますが、これと同じことが猫にも起こります。
肌が乾燥すると、フケが多くなります。
ブラッシングの問題
猫のフケを予防するのにブラッシングは効果的ですが、力が強すぎると猫の肌を傷つけてしまい、フケが増えたり皮膚炎になったりする原因になります。
ブラッシング不足もフケが増える要因のひとつです。
ストレスによる過剰な毛づくろい
猫はとても敏感な生き物です。強いストレスがかかると、解消のために体を舐めまわす習性があります。
必要以上に舐めることで皮膚が炎症を起こし、皮膚炎やフケの原因になります。
猫のフケを防ぐ方法
では猫のフケを防ぐための方法を解説します。
猫用の保湿剤を使って乾燥を予防する
特に湿度が低くなる冬は乾燥しやすいため、保湿対策が大切です。
乾燥肌用の化粧水や保湿スプレーなど猫専用の保湿剤を使い、猫の肌を乾燥から守るようにします。
フケ対策用のシャンプーを使用する
猫用のフケ対策シャンプーを使うことで、フケを抑えることができます。
細かいフケの場合は主に乾燥が原因なので、保湿用のシャンプーを使用します。
大きなフケが出たり皮膚がべたついていたりする場合は、皮脂が過剰に分泌されている状態なので、皮脂を抑えるシャンプーを使います。
いずれのシャンプーを使うにせよ、シャンプーのし過ぎはNGです。
皮膚の脂分を奪い過ぎてしまい、乾燥を招くからです。シャンプーは必ず猫用のものを使用し、人間用のシャンプーは使ってはいけません。
部屋の加湿をする
猫は人間と同じく、40~60%の湿度が快適と言われています。
乾燥している時期であれば、加湿器を使って湿度を調節します。
加湿器がなければ、濡れたタオルを部屋に干しておけば、湿度が上がります。
一日一回ブラッシングをする
ブラッシングをして猫の毛並みを綺麗に揃えると、フケの防止になります。
ブラッシングは必ず一日一回は行うようにします。
強すぎるブラッシングは皮膚を傷めるので、優しくなでるように行いましょう。
部屋を清潔に保つ
カビやホコリ、花粉など、アレルギーの原因となる物質を排除するため、出来る限り部屋は清潔に保ちます。
水やエサの容器もこまめに洗い、清潔さを保つようにします。
ストレスが解消できるものを与える
キャットタワーや爪とぎ、おもちゃなど、猫のストレス解消になるようなものを与えましょう。
特に体を動かせる遊具は、猫のストレス解消に最適です。
猫のフケはフードで改善できる?
フケの原因が食べ物の場合、キャットフードを変えることで改善できる可能性があります。
キャットフードに含まれる食品の中で、猫がアレルギーを起こす可能性が高いのは、添加物と穀物(小麦、とうもろこし、米など)です。
キャットフードは無添加のものを選ぶと、アレルギーの可能性を減らすことができます。
また猫はもともと穀物の消化が得意ではありません。
ですから穀物を一切使っていない「グレインフリー」のフードを選ぶのも、食物アレルギーによるフケ対策には有効です。
なお動物病院でアレルギー検査してもらえば、何の食物でアレルギーを引き起こしていることがわかるので、事前にNG食品を把握することが可能です。
猫のフケの原因を知って正しい対策を行いましょう
猫のフケが増えてしまうのには、今回お伝えした通り非常に多くの原因があります。
特に肌の表面に脱毛や湿疹があったり、猫が異様に痒がったりしている場合には、皮膚炎などの病気を起こしている可能性があります。
とはいえ、それが病気かどうかを判断するのは非常に難しいので、様子がおかしいと思ったら、迷わず獣医師に相談することをおすすめします。
またフケを予防するには日常のケアが大切です。
毎日ブラッシングをしたり、保湿剤を使って乾燥肌を予防したりするなど、フケ対策を万全にしてあげて下さい。