もし、黒猫を家で飼うという機会が訪れたら、皆さんはどのような印象を抱きますか。
黒猫が横切ると不吉なことが起きるなどと恐れられていますが、実際に接してみると物凄く可愛らしい存在です。
黒猫は基本的には大人しい性格をしているので、育てていく際にそこまで大きな負担もありません。
迷信ばかりが広まっていく黒猫ですが、他にはどういった知られざる特徴を持っているのでしょうか。
性格や身体的特徴だけではなく、歴史なども含めて紹介していきましょう。
黒猫の身体的特徴は?
黒猫の大きな身体的特徴として挙げられるのが、体毛の殆どが黒色で構成されていることです。
中には、真っ黒な体の一部に白い斑点が見られる個体もあります。
これは俗にエンジェルマークともいわれますが、この白斑を持っている猫も黒猫として分類されます。黒猫は目の色も非常に特徴的です。
目の色は個体によってさまざまなものがあり、大きく分けると4つに分類されるといわれています。
その色とは、グリーン・へーゼル・カッパー・アンバーです。
グリーンは言うまでもなく緑色にあたります。緑色といっても、最も近いのはエメラルドグリーンのような色合いといえるかもしれません。
まるで宝石の如くキラキラと輝き、魅力的な目の色をしています。
へーゼルは日本語で表すとハシバミ色となります。
へーゼルナッツという木の実がありますが、ハシバミ色はへーゼルナッツの色を指しており、人間もこの色の瞳を持つ方が多いです。
簡単に色合いの説明をすれば、赤みがかった黄色が該当します。
次にカッパーを解説していきますが、この言葉も聞きなれない方が多いかもしれません。
カッパーは銅を英語で表した言葉であり、目が銅の色をしている黒猫もいます。
薄暗いところだと目の色が濁ってみえますが、光を当てると独特な色合いで輝くという特徴もあります。
最後に説明するアンバーですが、どういう色なのかなかなか想像し難いでしょう。
一般的な色に当てはめていけば、オレンジ色と黄色の中間点にあたります。
信号機に使われている黄色の英語表記がアンバーです。
これらの例外として、ブルーの目をした個体もいます。
黒猫の性格は?
黒猫のミステリアスなイメージからすると、クールな性格という印象を抱く方も少なくはないかもしれません。
しかし、そのイメージとは裏腹に黒猫は人懐っこいという特徴があります。
警戒心も薄く、とても甘えん坊で飼うと可愛らしく感じるでしょう。
黒猫はオスとメスでも性格が異なり、オスの方がマイペースかつ甘えん坊であることが分かっています。
メスはオスよりは警戒心を持つものの、飼い主に対しては友好的です。
その大人しい性格から、猫の中でも比較的安全に飼いやすい部類であるといえます。
黒猫はただ単純に人懐っこいというだけではなく、頭が賢いという特徴も持ちます。
そのため、空気を読むのが上手で飼い主の気持ちを理解する個体も多いです。
好奇心も旺盛なので、何か遊び道具を与えて一緒に遊んであげるといいでしょう。
そうすれば、黒猫との友好関係は大きく向上していきます。
また、空気を読むのが上手な一方でイタズラ屋という性格も特徴的です。
しかし、飼い主に迷惑をかけるような事態を起こすわけではありません。
あくまで甘えたい欲求なので、手が空いたら黒猫に構ってあげましょう。
飼い主との距離感の保ち方も上手なのが飼いやすいポイントの1つです。
黒猫の歴史
このように実際には人懐っこくて可愛らしい黒猫ですが、一体なぜ不吉の象徴といった負のイメージが付けられたのでしょうか。
これには、ある歴史的な背景が原因として挙げられます。
そもそも、黒猫が不吉であるというイメージを作ったのは欧米が最初でした。
欧米の歴史を見ると、魔女というワードが1つのカギとなっています。
中世ヨーロッパは特に宗教的な対立が激しく、社会の根幹となったキリスト教以外の宗教は、
異端として排除されるのが当たり前でした。
ただ排除されるだけではなく、魔女狩りといわれる裁判でキリスト教以外の宗教信者は次々に殺害されていきます。
この社会風潮の中で、魔女は欧米にとって嫌悪される存在となってしまいます。
その影響は人だけではなく、黒猫にも及びました。
黒猫の真っ黒な身体的特徴から、魔女が姿を変えていると考えられて人間と同様に命を奪われたのです。
近年では、迷信はまだ生き残り続けても動物愛護団体等によって虐殺を阻止しようといった動きが広まりました。
なお、イギリスの一部の地域では、幸運を呼ぶ存在として重宝されているところもあります。
一方で、日本における黒猫の歴史は欧米とは全く異なるものでした。
日本では元来幸運の象徴として知られ、特に宇多天皇が気に入っていたといわれています。
その幸運には魔除けの意味合いもありましたが、商売繁盛でも黒猫が役に立つと信じられていました。
江戸時代に入ると、日本全体で結核が大きな問題となります。
当時は不治の病として知られ、多くの方が結核の犠牲となりました。
しかし、黒猫はその結核も治す存在だと信じられていたことが分かっています。
結核で亡くなった新撰組の沖田総司も、黒猫を飼っていたと伝えられています。
間もなく、欧米の文化が入ってきたことで黒猫に対する負のイメージが日本でも浸透しますが、
歴史的に見れば古くから愛されていた存在でした。
有名な黒猫は?
黒猫は、多くのアニメキャラクターに使われています。
中でも、世界的に有名なのがフィリックス・ザ・キャットです。
アメリカで誕生したキャラクターであり、正義感が強い主人公として知られています。
作成されたのが1919年と古い歴史を誇ります。日本においても、『魔女の宅急便』というジブリ作品に出てくるジジが有名です。
嫌味な言動をすることもありますが、どこか可愛らしくて多くのジブリファンから愛されています。
また、『美少女戦士セーラームーン』に出てくるルナという黒猫も有名かつ人気が高いです。
黒猫に関するまとめ
黒猫は迷信が広く伝えられているものの、性格的には非常にパートナーとして相応しい存在です。
欧米諸国では黒猫を排除してきた歴史もありますが、日本においては古くから大事に扱われてきました。
人懐っこい性格や空気を読むことに長けた賢さなど、魅力溢れる猫ということができます。
現在も黒猫に関する迷信は残りつつも、アニメキャラクターの効果もあって気に入って飼う方が多いです。
もし、黒猫を飼う機会があったら手の空いたときに遊んであげましょう。
黒猫もペットとして飼うと大きな癒しとなります。