愛猫が急にご飯を食べなくなって、病気になったのではないかと心配になることがあるでしょう。
もちろん、病気が原因で食欲不振に陥ることもありますが、食欲がないだけで、他の場面では元気なので不思議に思う時もあるかもしれません。
猫は非常にデリケートな感性の持ち主で、ちょっとしたことで食欲が低下することも珍しくありません。
本記事では、猫がご飯を食べない原因とその対策法について解説します。
また、動物病院に連れて行くべきケースの特徴についても紹介しましょう。
猫がご飯を食べない原因
運動不足
室内で飼っていて外に出さない猫は運動不足になりがちです。
運動不足になった猫は、カロリー消費量が少ないため、お腹が空きません。
そこで、ご飯を食べないことが多いのです。
いつも寝てばかりで活発に動こうとしない愛猫がキャットフードを食べなくなったら、運動不足を疑いましょう。
キャットフードに飽きた場合
毎日同じキャットフードを与えていても、大抵の猫は飽きずに食べ続けてくれることが多いのですが、中には同じ味に飽きてしまって食欲がなくなる猫もいます。
特に、猫はキャットフードの匂いに敏感で、こうした猫は同じ匂いに飽きてしまうのではないかと言われています。
環境の変化
気温や湿度が上がると食欲が低下する猫もいます。
また、食器の形状や食事場所の変化といった事情により、キャットフードを食べなくなることもあります。
猫は保守的な動物で、環境の変化を嫌うのです。
引っ越し後などは、落ち着かなくなり、ご飯を食べなくなることが多いでしょう。
心理的ストレス
ペットホテルや動物病院に連れて行くと、帰宅後もストレスが残って食欲不振に陥る猫が少なくありません。
子どもがむやみにちょっかいを出したり、飼い主に赤ちゃんが生まれて手がかかりっきりになったりすると、猫は強いストレスを感じます。
多頭飼いで他の猫に押しのけられる弱い猫は常に空腹になるはずですが、逆に食事の場に近づかなくなり、キャットフードにそっぽを向くこともあるのです。
このように、心理的ストレスも、猫の食欲低下の原因になります。
病気が原因
病気のせいで猫が食欲を失うこともあるので、飼い主は注意しなければなりません。
食欲不振の愛猫がその他の面でも体調不良の際は、病気を疑いましょう。
猫がご飯食べない時の対策1. 食べるまでぐっと我慢させる
体を動かしてお腹が減るまで食べさせない
猫の食欲低下の原因として運動不足が考えられる時は、無理にご飯を食べさせようとせず、寝てばかりの愛猫の身体を動かしてお腹を空かせるよう努めましょう。
猫は動く物を追いかける習性があるため、猫じゃらしやネズミの玩具などを使って運動させる方法が有効です。
飼い主が忙しくて愛猫の運動に付き合う時間がなければ、AI掃除機や自動操縦の小型ドローンに猫じゃらしを付けて作動させるなど工夫しましょう。
空腹になるまで運動させれば、自然にキャットフードを食べるようになります。
偏食を直すためにひたすら我慢させる
単なる好き嫌いによりキャットフードを食べようとしない場合は、あえて絶食させ、愛猫の方からキャットフードをおねだりしてくるまで与えないという方法も有効です。
ただし、肥満の猫は、長時間空腹のままだと肝臓に負担がかかって慢性疾患が重篤化することもあるので注意しましょう。
猫がご飯食べない時の対策2. 食べやすいご飯を選び直す
猫の好きな香りのキャットフードを選ぶ試み
猫は嗅覚が敏感で、香りのよいキャットフードを好む傾向があると言われています。
カリカリなどのキャットフードには様々な成分が含まれており、その中の1種類でも愛猫の気に入らない香りの食物があると、毛嫌いすることもあるのです。
肉類を好んでも、鶏肉の匂いを嫌い、牛肉の香りだけに惹かれる猫もいます。
香りに関する愛猫の微妙な好き嫌いを感知して、キャットフードを選び直すと、食欲が回復するかもしれません。
味の傾向を変えてみる
魚類系から鶏肉・豚肉系のキャットフードに変えてみると、食欲不振が解消する猫もいます。
1つの味にこだわりが強い猫が多いものの、食欲が低下した際には、様々な具材のキャットフードに挑戦してみるのも良いかもしれません。
鶏肉や豚肉に飽きたら、少々値が張りますが、牛肉を与えると食いつくこともあります。
ドライフードからウェットフードに変更する
カリカリなどのドライフードは安価で保存しやすく愛猫家に重宝されていますが、ドライフードだけだと水分不足になって食欲が衰える猫もいることから、ウェットフードに変更することも考えなければなりません。
缶詰やチューブ入りのウェットフードには、猫に人気の商品があるので、ペットフード店でチェックしましょう。
味も豊富な種類があり、マグロ味やチキン味などの商品が売れています。
猫がご飯食べない時の対策3. 病気かも?動物病院に相談してみる
食欲がないだけでなく、嘔吐・下痢・発熱をともなったり、くしゃみやよだれが目立ったりする場合は獣医に診てもらう必要があります。
ぐったりとして動きたがらず、食器に近寄ろうとすらしない場合も、獣医の受診をおすすめします。
一見して明らかに具合が悪そうでなくても、成猫で24時間、子猫なら12時間以上の長時間絶食状態が続くときも、動物病院に連れて行った方が良いでしょう。
食欲不振の猫が罹患する疾病としては、まず胃腸炎といった消化器系の異常が考えられます。
場合によっては、腎臓病・悪性新生物・心臓病が原因のケースもあり、放置すると重篤化してしまうでしょう。
それから、猫の食欲不振の原因としてウイルス感染症が挙げられます。
この場合、全身に不調が現れ、口内炎を併発することもあり、口の中が痛くてキャットフードを食べられなくなるのです。
老猫の場合、加齢による歯周病が悪化して上手く食べられなくなることから、食欲が低下するケースもあります。
好奇心旺盛でいろいろな物を齧りたがる猫は、誤って飲み込んでしまった異物が原因で腹痛を起こし、キャットフードを食べないことが多いため気を付けましょう。
いずれにしても、飼い主では手に負えないので、動物病院で受診しましょう。
食欲以外の面もチェックして猫を動物病院に連れて行くかどうか判断しましょう
猫は、ストレスや環境変化など様々な原因によってご飯を食べなくなることがあります。
したがって、食欲が低下したというだけでは、病気になったとは言えません。
個々の猫の事情を勘案して、運動不足やキャットフードのマンネリ化など考えうる原因に対応する対策を講じてみましょう。
そのためには、日頃から愛猫の様子をよく観察して体調等を把握しておくことが欠かせません。
総合的に判断して病気の疑いを拭いきれない時は、迷わず動物病院に連れて行きましょう。