繊細な猫は、ちょっとしたことでご機嫌斜めモードになってしまうことがあります。
猫も、私たち人間のように、ストレスがたまったり、不安を感じていたりすると、食欲不振を起こすことがよくあります。
ただ、健康のためには、しっかりとご飯を食べ、愛猫に合った栄養素をバランスよく体内に取り入れることが大切です。
ご飯を少ししか食べない場合、病気が隠れている可能性もあり、とても心配になってしまいます。
今回は、猫が少ししかご飯を食べない理由や、対処法について紹介しましょう。
猫が少ししかご飯を食べない理由
ご飯が好みじゃない
猫は好き嫌いが激しい動物と言われています。
そのため、自分が好みではないご飯を出されると、食べずに放置してしまうことも珍しくありません。
実は、猫は食べる際に味よりもにおいを重視して判断しています。
また、猫は子猫(生後6か月未満)の時に食べていたご飯の味やにおい、食感を好むと言います。
そのため、子猫の頃に食べたことがないようなご飯を成猫になって与えても、全く食べてもらえないという可能性もあるでしょう。
同じご飯に飽きてしまった
猫のことを考え、いつも同じご飯を与えている飼い主さんも多いでしょう。
猫はそもそも自立心の強い動物で、自分で狩りをするためには栄養をしっかりと蓄えておかなければなりません。
猫は、重要な栄養分が含まれているか、見極める能力があると言います。
与えたご飯が、猫が本能的に求める栄養バランスと違っていた場合、「別のものが食べたい」と次第に食べるのが嫌になってしまうようです。
ただ、栄養的に完全なご飯を与えても、「他のものが食べてみたい」という欲求が起こることもあります。
人間と同じように、似たような味、におい、食感のものをずっと食べ続けると、飽きてしまうのです。
加齢による変化
猫も年をとると噛む力や消化能力が衰えていきます。
老猫になると、食事をするのにも多くの体力を消耗するようになります。
そのため、どうしても食が細くなってしまうのです。消化器官に衰えが見え始めた高齢猫に対しては、粒を小さくしてあげたり、ウェットフードにしたりすることで、ご飯が食べやすくなるでしょう。
ストレスが溜まっている
猫は、ストレスを感じやすい動物です。
「生活環境」「苦手な刺激」「周りの人の接し方」などにより、多大なストレスがかかると、食欲が落ちてしまうことがあります。
例えば、見知らぬ土地に引っ越したり、変なにおいがするものを置いたり、知らない人がやってきてちょっかいを出したりなどすると、猫は大きなストレスを感じることになります。
お家や環境が猫にとって居心地の悪いものになっている場合、自然に食欲が低下してしまうでしょう。
病気かもしれない
猫は病気により、少ししかご飯を食べなくなってしまうこともあります。
食欲に直結する病気には、消化器系・肝臓・腎臓などの不調があります。
また、夏バテが原因になったり、食物以外のものを誤って食べてしまったりして、食べるのを嫌がっている場合も。
口内炎や歯周病など、お口のトラブルが原因で、思うようにご飯を食べてくれなくなることもあるでしょう。
ご飯を食べてくれないことに加え、発熱、下痢や嘔吐、ぐったりとしていて元気がないなど、明らかに様子がおかしい場合は、動物病院の受診も検討しましょう。
猫が少しづつご飯を食べるようになった原因
食事環境を変えてみた
環境の変化は、猫にとって大きなストレスに。
ご飯をいつものように食べてもらいたい場合は、食事環境を整えるのが効果的なこともあります。
猫が押し入れやベッドの下に隠れるのは、狭くて暗い所が落ち着くからです。
引越しなどで環境が変化した場合は、食事中は外が見えないようにダンボール箱などを活用すると、猫は周りを気にしなくなり、ご飯を食べてくれるようになることもあります。
エサ入れに工夫する
猫がご飯を少ししか食べてくれない理由は、ご飯だけにあるとは限りません。
ステンレスのキラキラした反射が気になったり、入れ物が小さすぎたり大きすぎたり、変な臭いがしたりなど、エサ入れが原因であまり食べてくれなくなることもあるのです。
愛猫が好む素材やサイズ、高さなどに気をつけると、格段にご飯が食べやすくなり、今まで食べなかったものも食べてくれるようになることがあります。
エサ入れは細菌が繁殖しやすいので、安全に食べてもらうためにはこまめに洗うことも大切です。
飼い主がストレスを取り除いてあげる
飼い主が猫のストレスサインに築き、その原因を取り除くことができれば、いつものようにご飯を食べてもらえるようになるはずです。
猫が人見知りする場合は、あまり知らない人や動物を近づけさせないようにする工夫も大切です。
トイレや爪とぎの環境を用意したり、室内で思いっきり遊ばせたりして、ストレスや運動不足を防いでいきましょう。
ストレスが解消できれば、病気などの予防にもなりますし、猫の不安が解消されればご飯もいつものように食べてくれるようになります。
猫が少ししかご飯を食べない時の対策1. 食べるまでそっとしておく
猫が少ししかご飯を食べない時は、食べるまでそっとしておくのも一つの方法です。
猫はもともと食欲ムラがあり、食べたい時に食べたい分量を食べる習性があります。
そのため、食べる量が減ったり、増えたりということは、ザラにあるのです。
無理やり食べさせようとすると、それがかえって猫のストレスの原因になってしまうこともあります。
数日間全く食べてくれないなら心配ですが、いつものように元気があり、少し食べる量が減ったぐらいならば、もう少し様子を見てみましょう。
猫が少ししかご飯を食べない時の対策2. 食べやすいご飯を選ぶ
猫は肉食動物で、肉や魚のにおいには本能的に反応してしまうと言います。
食いつきが悪い場合は、より肉や魚のにおいが感じられるフードに変えてみると、食いつきが良くなる可能性があるでしょう。
電子レンジで人肌程度まで温めると、香りが立ち、嗜好性が高まります。
カリカリが苦手なら、ウェットフードにしてみたり、ウェットフード+ドライフードにしてみたりなど、工夫をしてみましょう。
お魚を主原料としたキャットフードを与えている場合は、鶏肉や豚肉など、お肉をメインとしたものにかえると、味に飽きてしまった時の解消に繋がることもあります。
慌てずに対応しよう
猫は気まぐれな性格をしています。
一定期間同じご飯を与えていたら、食欲のムラというのも必ず出てくるでしょう。
体調に変化がない場合、ご飯の内容やストレスによって食べないことが多いです。
以前のように、猫にご飯を食べてもらうためには、飼い主の行動が大事になってきます。
何が原因で食欲が落ちているのか冷静に考え、慌てずに対処することが大切です。
そして、食欲不振が続いていたり、急激に体重が落ちたりする場合は、早めに動物病院で見てもらいましょう。