猫を家に迎え入れる前に、準備しておくべきアイテムは沢山あります。
キャットフード、爪とぎ、ブラシにおもちゃ。挙げていくとキリがありません。
中でも必須アイテムと言えるのが「猫用トイレ」。
猫は綺麗好きなので、きちんとしたトイレが家に無いと排泄を我慢してしまうこともあります。
かわいそうな思いをさせないためにも、トイレは事前に用意しておきましょう。
猫用トイレには「猫砂」と呼ばれる、トイレ用の砂が必要です。
今回は、猫のトイレに猫砂を入れる理由、そして猫砂の選び方をご紹介します。
猫のトイレに猫砂が必要な理由
先述のように、猫はとても綺麗好きな動物です。
そして非常に用心深く、自分のにおいを他の動物に嗅がれることを嫌います。
猫が排泄物に砂をかけるという行為ですが、排泄物にはその猫特有のにおいが含まれているそう。
そのためこの行為には、においが広がらないように排泄物を埋め、敵から身を守るという本能的意味合いがあります。
それができないと猫は大きなストレスを受け、健康に害を及ぼす可能性もあります。
大切な飼い猫の健康のため、トイレ環境はきちんと整えてあげましょう。
そして、本能的な行為を我慢させないように、排泄物を隠せる「猫砂」を敷いておきましょう。
トイレ用猫砂の種類と特徴
猫砂には大きく分けて「固まるタイプ」と「固まらないタイプ」があります。
固まるものは、猫砂の種類として一番スタンダードなものと言えるでしょう。
固まらない猫砂はシステムトイレに用いられ、下にオシッコを吸収するためのシートを敷く必要があります。
猫砂に使われる素材は、主に「鉱物」「紙」「木」「おから」「シリカゲル」の5つ。
これらの素材別に、猫砂の種類と特徴を見ていきましょう。
鉱物系の猫砂
まず、最もスタンダードな猫砂の素材と言える「鉱物系」の特徴から。
鉱物の猫砂は自然の砂に近く、ほとんどの猫が好む傾向があります。
猫砂を初めて買う場合は、まずこの種類のものを選ぶと無難です。
「固まるタイプ」の猫砂なので、汚れた部分をサッと片付けることが可能。
しかし、床に散らばりやすいという欠点もあります。
原料が粘土の一種であるため、一般的に燃えないゴミとして処分します。
紙系の猫砂
「固まるタイプ」の猫砂で、トイレに流せる製品がほとんど。
非常に軽いことが特徴で、持ち運びが楽というメリットもあります。
飼い主にとっては最も取り扱いが楽な猫砂と言えるでしょう。
しかし、軽いがゆえに飛び散りやすく、床が汚れやすい難点もあります。
まれに吸水ポリマーを含んだものもあり、猫が摂取してしまうと消化器系にダメージが及ぶことも。
選ぶときは成分表示をしっかり確認することが重要です。
木製の猫砂
檜やパインウッドなどの木材から作られており、自然な「木の香り」がします。
人工的なにおいが苦手な猫に向いているかもしれません。
ほとんどのものが安価で購入でき、軽いので持ち運びがしやすいです。
木製の猫砂には「固まらないタイプ」「固まるタイプ」の両方があります。
固まらないものはシステムトイレ用、固まるものはそのまま使えます。
ただし、固まるタイプは崩れやすいという弱点も。掃除の際は慎重に片付けましょう。
ほとんどのものは燃えるゴミとして処分可能で、トイレに流せる製品もあります。
おからの猫砂
「固まるタイプ」の猫砂であり、おからが原料であることで、猫が食べてしまっても安全という大きなメリットがあります。
値段が安いものが多く、ほとんどの製品が燃えるゴミとして処分でき、トイレにも流せます。
ただし、一部には防腐剤や凝固剤が使われているものもあるため、砂を口に入れてしまう猫を飼っている方は、選ぶときに注意が必要です。
シリカゲルの猫砂
シリカゲルは、乾燥剤に使われる素材として有名なものです。
シリカゲルの猫砂には「固まらないタイプ」が多いです。
主にペットシートと併用するので、掃除の手間はそれほどかかりません。
最大のメリットは、消臭効果が非常に高いということ。
しかし、長期間使用していると特有の臭いが発生することもあるので、砂の定期的な入れ替えは必要でしょう。
他の猫砂に比べ、値段が高いことも特徴の一つです。
トイレ用猫砂の選び方
こんなに猫砂の種類があると、何を選べば良いのかわからなくなってしまう人もいることでしょう。
飼い主として気になるのは「猫にとって安全な製品か」「飼い猫の好みに合う砂か」と言った点ではないでしょうか。
猫に気持ちよくトイレを使ってもらうには、トイレ容器はもちろん、その中に入れる猫砂が大きな鍵となります。
ここではどんな基準で猫砂を選べば良いか、また、重点を置くポイントについて解説していきます。
飼い猫の好みに合っている
これは、猫がストレスなくトイレを使うために大切なポイントです。
砂を食べてしまう猫であればシリカゲル製のものは避けるべきですし、大粒を嫌う猫であれば小粒の砂を選ぶと良いでしょう。
また、猫砂は肉球に直接触れるため、その猫が好む感触というものがあります。
においにも好き嫌いがあるので、飼い猫の性格に合わせた製品を選ぶようにしましょう。
消臭力が高い
猫のトイレは室内に置くことがほとんどなので、できるだけにおいを抑えられる猫砂を選びたいもの。
「固まるタイプ」の砂であれば、ガッチリ固められるものを選ぶことで消臭効果は大きくなります。
「固まらないタイプ」の猫砂を使うシステムトイレであれば、砂が清潔に保たれ、排泄物のにおいをすばやく吸い取ってくれるものを選ぶと良いでしょう。
手入れがしやすい
トイレは毎日掃除するので、負担にならないような製品を使いたいものです。
猫の好みも大切な要素ですが、飼い主のライフスタイルにも合わせられる猫用トイレ、そして猫砂を選びましょう。
忙しい方やあまり家にいられない方であれば、システムトイレがお勧めです。
固まった砂をいちいち捨てる必要がなく、砂を取り替える頻度も少なくて済みます。
脱臭効果のあるマットやシートを同時に使えば、かなりの消臭効果を期待できます。
コストパフォーマンスが良い
いくら最適な猫砂であっても、値段が高すぎると使い続けることは困難です。
しかし、安いものであっても安全性に欠けるものは、飼い猫の健康のために避けたいものです。
良いと思った猫砂でも、成分の確認はしっかり行い、リピートして買えるものか検討することが大切と言えるでしょう。
おすすめのトイレ用猫砂
鉱物系:『Dr.エルスレイ ウルトラ | Dr.エルスレイ』
この製品は自然の砂に近く、ホコリが立ちにくいことが特徴です。固まる力も強く、しっかり取り除くことが可能。
そのため、においが残りにくいというメリットがあります。
一般的な猫砂に比べると少し値段は高いですが、いわゆる「高級猫砂」から見ればリーズナブルです。
細かい砂のため飛び散りやすいというデメリットもありますが、品質的には非常に優れている製品と言えるでしょう。
紙系:『紙の猫砂 | アイリスオーヤマ』
再生パルプが主原料として使われている環境に配慮した猫砂です。
オシッコがかかった部分のみ固まるので無駄が無く経済的にも嬉しい製品と言えます。
分解中和消臭と抗菌効果で、においや菌の発生を抑えてくれるのは嬉しいメリットです。
木製:『ニャンとも清潔トイレ 脱臭・抗菌チップ大きめの粒』
「ニャンとも清潔トイレ」は猫用のシステムトイレとして定番ですが、これはその純正チップです。
フィトンチッドと呼ばれる成分が菌の発生・においを抑えトイレを清潔に保ちます。
粒のサイズも選べるので、子猫であれば小さめの粒、床への散らばりが気になる場合は大きめの粒を使うと良いでしょう。
おから:『猫砂 サンドK | トフカス』
タブレット型の猫砂で転がりにくく、猫の足にも付きにくいことが特徴。
おから特有のにおいも少なく、消臭効果もあります。
オシッコをしっかり固めてくれるので、掃除がしやすく、容器にもこびりつかないのは大きなメリットです。
どうしても砂を食べてしまう飼い猫には、こちらの製品を試してみることをお勧めします。
シリカゲル:『消臭砂シリカゲルサンド | アイリスオーヤマ』
シリカゲルの猫砂は固まらないので、システムトイレに使います。
消臭・脱臭力に優れ、約一ヶ月間砂の交換が不要なのは嬉しいポイント。
木製の猫砂に混ぜ、脱臭剤として利用することも可能です。
快適なキャットライフのために、最適な猫砂を選ぼう
キャットフードは猫によって好みがありますが、猫砂も同じです。
猫も同じ家に暮らす家族の一員。良い環境で過ごせるように、猫にとって大事な「トイレ環境」を、まずは整えてあげましょう。
そのために重要な要素となるのが、今回ご紹介した「猫砂」です。
飼い猫が快適に利用できることが第一ですが、飼い主にとってお手入れがしやすいことも重要。
猫によっては猫砂選びに時間がかかるかもしれませんが、猫と人とが幸せな「キャットライフ」を過ごせるように、最適な猫砂を選んであげましょう。