猫用ゲージの選び方・使い方のポイント

猫は自由奔放に歩き回ることを好む動物ですが、動物病院に連れて行ったり、引っ越ししたりする際には、ゲージに入れる必要があります。

しかし、いきなりゲージに閉じ込められたら、猫は非常に不安になり、飼い主との信頼関係が傷ついてしまうかもしれません。

どうしたら猫を上手くゲージに慣れさせることができるのでしょうか?また、飼い主は、愛猫に適したゲージを選び、適切に使用したいものです。

この記事では、猫用ゲージの種類や選び方のほか、適切な設置場所について解説しましょう。

猫用ゲージが必要な理由

猫を飼い始めた頃や、引っ越したばかりの時は、飼い猫が安定した居場所を見つけられず、どこかに隠れてしまうことがあります。

このような場合、猫の落ち着く場所として、最初のうちは猫用ゲージを用意してあげることが必要です。

また、飼い主が家を留守にする時、猫が家具や金魚鉢などにいたずらをしないよう、安全確保のために一時的に猫を入れておくゲージが必要になることもあるでしょう。

それから、猫がくつろげるスペースとしてゲージは役に立ちます。

ゲージは猫を閉じ込めるツールというだけでなく、扉を開放しておけば、猫の落ち着く場所にもなるのです。

猫は狭いところに居ると本能的に落ち着けるため、ゲージを隠れ家として愛用する飼い猫も少なくありません。

さらに、去勢や避妊といった手術を受けた後や、体調不良の時など、他の猫から隔離して1匹だけ安静にさせたい場合に、ゲージを活用できます。

複数の猫を1つの家の中で飼う場合は、1匹だけ隔離する事態が生じることを想定しておかなければなりません。

既に飼い猫が居る家庭で、新たに別の猫を迎え入れる際にも、お互いに少しずつ慣れさせるために、最初は新顔の猫をゲージに入れたまま対面させるなどの工夫が大切だと言えるでしょう。

 猫用ゲージの種類と選び方

猫用ゲージの種類

猫用ゲージには、鳥カゴのような金網タイプや軽くて丈夫なプラスチック製をはじめ、折りたたみタイプのソフトな布製やキャスター付きで簡単に移動できるものまで、様々なタイプがあります。

その多くは、素人でも組立と収納を容易にでき、扱いに困ることがありません。

こうした猫用ゲージを選ぶ際には、いくつかの注意点があります。

部屋のサイズに合ったものを選ぼう

まず、ゲージの置き場所を決めてから、部屋のサイズに合ったゲージを選ばなければなりません。

店頭に並んだゲージは小さく見えますが、自宅に持ち帰って組み立ててみると、予想外にスペースを取り、部屋が狭くなってしまうと感じることがあります。

購入前に置き場所のサイズをメジャーで測っておき、部屋に適した大きさのゲージを入手しましょう。

猫を長時間入れるなら、120センチ以上の高さがあるゲージが必要

四つ足の猫が移動するだけなら、30センチほどの高さがあれば十分だと考えるかもしれませんが、猫は高いところが好きで、十分な高さがないゲージ内では非常にストレスを感じるでしょう。

特に、長時間狭いゲージ内に留め置かれると、猫はストレス過多で体調を壊すおそれがあります。

したがって、愛猫の心身の健康のため、少なくとも120センチ以上の高さがあるゲージを備えてあげましょう。

可能なら、キャットウォークやハンモックがゲージ内に付いたものが好ましいと言えます。

丈夫な材質でどっしりと安定したゲージを選ぼう

猫が激しく動いただけで転倒してしまうような不安定なゲージは、避けなければなりません。

5キロ以上の体重になる成猫が、幼猫用ゲージの上部に飛びついたり跳ねたりすると、棚板が外れたり、ゲージ自体が倒れてしまうこともあります。

猫がゲージの側面に衝突しただけで横転してしまうようなゲージは、トイレやキャットフード容器の中身を床上にまき散らすだけでなく、愛猫が怪我をする原因にもなるでしょう。

また、噛み癖のある猫が、網を噛んでも塗料が剥離せず、誤って飲み込む危険性がないゲージを選ぶことが必要です。

 猫用ゲージを配置する時のポイント

窓際や見晴らしの良い場所にゲージを設置しよう

猫は天敵から身を守るため、本能的に周囲を見渡せる場所や高いところを好みます。

猫用ゲージを窓際や高所に置いてあげると、落ち着いて過ごせるでしょう。

窓際から外の景色が見えると、猫は1日中飽きることがありません。

ただし、あまり日当たりが良すぎると猫が弱ってしまうこともあるので、夏場などはゲージに直射日光が当たる場所は避けた方が良いです。

ゲージの中に日陰部分ができるように、配置を考えてあげましょう。

1日中ゲージに猫を入れておく場合は、気温差や湿度差が大きくない場所を選ぶことも重要です。

飼い主が猫の目に入る場所を選ぼう

ゲージに入れられた猫は、自分から飼い主に歩み寄ってコミュニケーションを取るということができないので、飼い主がしょっちゅう猫を目を合わせて交流できる場所にゲージを設置しなければなりません。

飼い主と交流を求めないドライな猫もいますが、室内飼育されている多くの飼い猫は、 飼い主とのコミュニケーションを求めていると言えるでしょう。

関心のない素振りを見せる猫も、飼い主の動向を見ていることで、落ち着くということもあります。

飼い主の姿が見える場所にゲージを置いて、猫を安心させあげましょう。

人の出入りが多いドア付近を避けよう

猫は基本的に静かな場所が好きで、しょっちゅうバタバタと音を立てて扉が開閉するような環境を好みません。

特に見知らぬ来客が訪れる玄関のそばなどは、猫が不安になったり、縄張りを脅かされたと感じてストレスを抱えてしまったりするので、ゲージを置くのは避けた方が良いでしょう。

猫用ゲージへの慣れさせ方

猫が好きなものをゲージの中に置く

飼い猫がお気に入りのおもちゃや座布団などをゲージの中に入れておけば、猫はゲージに抵抗なく入れるようになります。

ゲージの中に猫の好きなものがあると学習すれば、次第にゲージ自体を好ましい存在として受け入れてくれるでしょう。

また、使い慣れたトイレ用の砂場やキャットフード容器をゲージ内に設置することも、猫をゲージに慣れさせるうえで有効な方法です。

ただし、トイレとキャットフード容器は別々にした方が衛生的なので、両方とも同時にゲージに入れることは、好ましくありません。

幼猫の頃から室内にゲージを置く

幼いうちから身近にゲージがあれば、猫はゲージに早くから慣れ親しめるでしょう。

ゲージを自分の縄張りの一部だと認識してくれるのです。

その際に、ゲージの扉は開放するか、可能なら取り外しておかなければなりません。

ゲージは猫を閉じ込める道具ではなく、くつろげる場所だと感じてもらうためです。

ゲージに自由に出入りできて、遊んだり昼寝したりする生活に慣れていけば、成猫になってからもゲージの使用が楽になるでしょう。

愛猫に合った猫用ゲージを選び、日頃から慣れ親しませよう!

猫を飼っていれば、他の猫と隔離したりする場合など、ゲージが必要な時が来るでしょう。

いざと言う時に愛猫がゲージを拒むことがないよう、猫の性格や自宅の特徴を十分考慮して、最適なゲージを用意しなければなりません。小さな猫でもストレスを感じない十分な大きさのものを選ぶことが必要です。

ゲージは飼い猫の傍に置き、日頃から慣れ親しめるように工夫しましょう。

ゲージに猫を入れる際は、人の出入りが多い扉の付近を避けて、飼い主が見える場所に設置するといった配慮も欠かせません。