飼い猫も病気を患ってしまうことがありますが、その多くは飼い主の知識不足が原因と言えるでしょう。
誤った方法で飼育を続けると飼い猫は次第に体の具合が悪くなってしまいます。
特に口内炎は人に飼育されているペットに多く見られる病気なので、回復も悪化も飼い主次第と言えます。
正しい知識があれば口内炎の発症を未然に防ぐことは十分に可能です。
飼い猫を長生きさせるためにも、口内炎を患ってしまう原因や特徴的な症状、正しい対処法などを学びましょう。
こんな症状が猫に出たら口内炎かも…
まずは、代表的な猫の口内炎の症状についてまとめました!
いつも与えているキャットフードを嫌がるようになる
猫の口内炎は人間と同様に、口内に強い痛みが生じます。
与えているキャットフードの種類によっては食べる時に腫れている部分が刺激され、痛みを感じてしまうことがあります。
そのため、好物であっても食べること自体を嫌がってしまうのです。
水しか飲まなくなったり、口を開けることも嫌がるようになった場合は口内炎の可能性が高いと言えるでしょう。
毛づくろいができなくなった場合も口内炎が疑われる
猫は自分の体を舐めて毛づくろいを行います。
舌を頻繁に動かす行為なので、口内炎を患っていると舌の動きで腫れている部分が刺激されてしまうのです。
舌を動かす度に痛みを感じるので、次第に毛づくろいをしなくなります。
体毛がバサバサで汚れた状態になっている飼い猫は口内炎や虫歯など、口の中を患っているケースが少なくありません。
毛づくろいをしたいのに口の中が痛いからできないという状態が続くとそれがストレスになり、発散のために爪を無暗に研いだり物を蹴とばすなど乱暴な振る舞いをすることもあります。
よだれを垂らしたり不快な口臭が生じるようになる
口内炎を患っている猫はよだれを垂らしやすくなります。
これは口の中が腫れたために口をしっかりと閉じることができないためです。
また、症状が重篤化すると腫れている部分が化膿し、そこから不快な臭気が発生します。
口内炎が悪化して歯周病になることも多く、そうなるとよだれに血が混ざる、歯が抜け落ちるなどさらに症状が重くなってしまいます。
猫が口内炎になる原因を徹底的に分析
ここで、猫が口内炎になる原因をおさらいしておきましょう。
ウイルス性の口内炎が多いとされている
猫が口内炎を患う原因の多くはウイルスの感染とされています。
中でも猫カリシウイルスは発症リスクが大きく、症状が重篤化しやすい特徴があります。
猫カリシウイルスはありふれたウイルスであり、健康な猫の口内にも存在しています。
栄養の偏りなどで免疫力が低下すると感染し、口内炎を引き起こしてしまうのです。
飼い猫の口内炎は食生活が影響している
猫の口内炎は野良猫より飼い猫の方が多いとされていますが、これは飼い猫ならではの食生活が影響しています。
飼い猫には総合栄養食のキャットフードを与えるのが一般的ですが、俗にカリカリと呼ばれる固いドライフードばかり与えていると口内炎になりやすいのです。
固い物をしっかりと噛み砕いて食べるので歯を丈夫にするメリットがありますが、その固さが歯茎や舌、頬の内側を傷つけている事実は否定できません。
毎日ドライフードだけを与えるのではなく、数回おきに柔らかいウェットタイプを与えるなどの工夫が求められます。
また、飼い主が歯磨きを行うなど口内ケアに気を配ることも重要です。
年齢や過去の症状も関係する
猫も人と同様に、加齢によって免疫力が低下します。
そのため、若い猫よりもウイルス性の口内炎を発症しやすくなるのです。
また、若い猫でも一度発症すると同じ部分に何度も症状が出ることがあります。
ウイルス性の口内炎は傷んでいる部分ほど発症しやすいので、傷が残っている部分は他よりも症状が出やすくなっています。
一度でも口内炎を患った猫は再び口内炎になる可能性が高いので注意しなければいけません。
猫の口内炎治療にかかる治療費を大まかに解説します
万が一、飼い猫が口内炎を患った場合は動物病院で治療を受けるのが最善の対処法になります。
口内炎は放置すると症状が重篤化することが多いので速やかに治療を行わなければいけません。
猫の口内炎治療にかかる費用は約6万円ほどとされています。
内訳としてはワクチンなど注射を打つのに約5千円、抜歯や歯石除去などの治療で約3万円から5万円、診察や検査の費用で約5千円から1万円ほどです。
動物の治療費は全額を自己負担するので、どうしても高額になってしまいます。
また、口内炎は再発しやすく、症状を抑えるための定期的な投薬が必要になるケースも少なくありません。
金銭の負担が大きくなりやすいのも口内炎が厄介な病気とされている点です。
ペット保険に加入するなど、金銭の負担を減らすための工夫が必要と言えるでしょう。
原因から考察する猫の口内炎への対処法まとめ
では最後に、口内炎対策について、原因を基に考えていきたいと思います!
口内ケアに細心の注意を払う
猫が口内炎を患う原因の多くは口内環境の悪化です。
汚れた状態で放置するとそれだけ発症しやすくなるので、飼い主が入念に口内ケアを行う必要があります。
また、歯茎や舌などが傷つくのも口内炎の発症リスクの増大に繋がるので、毎日与えているキャットフードにも注意しなければいけません。
ドライタイプだけではなくたまには柔らかいウェットタイプを与えるなど、口内が傷つくのを防ぐように心がけます。
獣医師によるワクチン接種が効果的
口内炎を未然に防ぐには飼い主によるケアが重要ですが、すべての問題をカバーできるわけではありません。
特に高齢の飼い猫は免疫力が低下しているので発症しやすいことから、獣医師によるワクチン接種が必須と言えるでしょう。
猫カリシウイルスのように感染力が強く、症状が重篤化しやすいウイルスに対してはもっとも効果的な対処法です。
その一方で猫の健康状態や飼育環境が口内炎の発症リスクに関係するのも事実なので、ワクチンを打つ際はその点にも注意することを心がけます。
飼い猫の健康管理は飼い主の重要な努め
猫を家族の一員として可愛がるなら健康管理にも細心の注意を払うのが飼い主の務めです。
動物は自分の意思で食事のメニューを変えるなどの対処ができないので、健康管理に関するすべての事柄を飼い主が責任を持って取り組む必要があります。
特に口内炎など、外見ではすぐに分からない体調不良は気がつくのが遅れやすいので注意しなければいけません。
飼い猫が健やかに長生きできるかどうかは飼い主の心がけ次第と言えるでしょう。
正しい知識と労わりの気持ちを持つことが飼い主に求められます。