ペットも立派な家族の一員です。一緒に過ごす時間が長ければ長いほど家族としての愛情も強くなります。
愛猫が年を取って昔ほどの活発さが無くなったとしても、できるだけ健康で長生きしてほしいと思うでしょう。
そのために、キャットフードは猫の年齢に合わせて選んであげるのが理想です。
ペットショップに行くとたくさんの種類があって、どれを選んでも同じだと思うかもしれません。
しかし、それぞれ年齢や必要に合わせて栄養が調整されているので、ふさわしいものを見つけましょう。
キャットフードの選び方はライフステージによって変わる
キャットフードはたいてい年齢別に分けて売り場に置いてあります。
では、それぞれ何が違うのでしょうか。
子猫なら成長していくための、健康な体作りのための栄養が必要です。
猫は人間に比べて成長スピードが速いため、特にたくさんの栄養を必要とします。
とはいえ、一度にたくさん食べられるわけではありません。
体の機能も発達しきっていないので、食べる回数を増やすことと少量でもたくさん栄養を取ることがカギになります。
成猫になると、一番元気で活発になります。
たくさん運動してたくさん食べます。
メス猫であれば、この時期に妊娠・出産を経験しますから、十分な栄養を蓄えておかなければなりません。
体力面も健康面も安定する時期ですからあまり神経質に考える必要はありませんが、食べすぎには注意が必要です。
猫には野生の本能が備わっています。そのため、食べ物はあるときにあるだけ食べておかなければならないという思考を持っています。
エサが空っぽになったからといって補充し続けていると、健康面に支障をきたすこともあるかもしれませんので注意しましょう。
シニア期の猫には特別な注意を払ってあげたいところです。人間と同じように猫も老いれば体力が衰え、活動量も減ります。
当然、体の機能も低下します。
成猫と同じ量の食事はできないでしょう。
消化機能が低下し骨も弱くなっていくので、食物繊維やカルシウムで補ってあげる必要があります。
老猫のキャットフードの選び方のポイント
キャットフードを選ぶときは量より質を重視してあげましょう。
詳しい栄養については後ほど詳しく触れますが、栄養の前にドライタイプかウェットタイプかどちらを選ぶべきかで悩むかもしれません。
まずは、それぞれのメリット・デメリットについて説明します。
ドライタイプのメリットは、栄養がバランスよく含まれているということです。
1日に必要とする栄養素を不足なく摂ることができるので、大変便利です。
ドライタイプの固いエサを噛むことはハミガキ代わりにもなります。
そして、何よりも安いという点も挙げられます。
一番多く見かけるのはドライタイプのキャットフードですし、ホームセンターやスーパーなど身近な場所でも手に入ります。
デメリットは、水分不足に陥る可能性があることです。
ドライタイプのエサをあげる時には水も飲むように気を配ってあげましょう。
猫は腎臓の病気にかかりやすい動物ですから、水分がたくさん必要です。
このデメリットを解消するためには、ドライタイプのエサをお湯でふやかしてあげるなどの工夫が有効です。
ウェットタイプのメリットは、水分量が多いということです。水分補給を兼ねて与えることができ、ドライタイプに比べて香りが強いので食欲を増しやすいのも良い点です。
デメリットは、添加物の多さです。
ドライタイプは比較的長期保存ができるのですが、ウェットタイプは水分が多い分、保存には不向きです。
少しでも長持ちさせるため、市販のウェットフードには添加物を加えることが必要になってしまいます。
ウェットをタイプをあげたいけれど添加物が気になる、という人はキャットフードを手作りすることも検討してみると良いかもしれません。
老猫のキャットフードの選び方と栄養素の関係性
老猫には高たんぱく・低カロリーのものが好ましいです。
高カロリーなものは体に負担がかかります。
しかし、衰えていく筋肉や皮膚、毛の健康を少しでも維持していくためにたんぱく質はとても重要です。
また、炭水化物も控えめにしましょう。
猫には穀類を上手に消化する機能が備わっていません。
そのため、消化するにはエネルギーを多く消費します。
運動量が減るシニア期に炭水化物は肥満の原因にもなりますから、避けましょう。
猫にはミネラルの一種であるリンという栄養素も重要ですが、老猫にはリンの量も減らしてあげた方が無難です。
リンは摂りすぎると腎臓に負担がかかるからで、高血圧や腎臓病のリスクが高まってしまいます。
キャットフードの袋の裏には必ず成分表示が記載されていますので、老猫にとってちょうどよい栄養バランスのキャットフードを選ぶようにしましょう。
同じ年齢の猫でも、必要な栄養については個人差があります。
飼い猫の状態をよく観察すると、どの栄養素が特に必要なのかをある程度判断できます。
判断が難しい場合は皮膚の状態や毛並み、運動頻度などを書き留めておき、ペットショップの店員さんに相談するのも一つの方法です。
老猫のキャットフードの選び方を間違えると起こること
キャットフードの選び方を間違えると、どんな危険があるでしょうか。
まずは、ドライフードばかりあげていると便秘になってしまう可能性があります。
1日か2日くらいなら問題ありませんが、便秘を長く放置すると最悪の場合手術が必要になることさえあります。
特に水分が不足しやすい老猫は水分を取っているかよく確認してあげるようにしましょう。
成猫の時と同じエサを食べ続けることにより起こりうる肥満も危険です。
肥満は体に大きな負担がかかります。
その上、骨も弱ってくるので猫にとっても大きなストレスとなるでしょう。
一番避けたいのは事故につながることです。
老猫は歯も弱ってきますし、咀嚼能力も低下します。
もし、エサをうまく飲みこめずにのどに詰まらせてしまったとしたら命の危険に繋がります。
大切な飼い猫を守るためにも、キャットフードはしっかりと選ぶようにしましょう。
キャットフードの選び方が猫の健康を左右する
できれば愛猫には病気にも事故にも無縁で、健康なまま生涯を全うしてほしいと思うでしょう。
猫は具合が悪くなってもどこが悪いと伝えることができません。
むしろ、野生の本能が働いて体の不調を隠すこともあります。
残念ながら、猫は人間の言葉を理解できませんし、逆も同じです。
そのため、年齢に応じて、飼い猫に必要な栄養を補うキャットフードを上手に選んであげましょう。
そして、普段から飼い猫をよく観察し、小さな変化に気づいてあげることも大切です。