猫は全身毛に覆われていることもあり、換毛期などには毛が抜けるのも当たり前なので見落としがちですが、中には何かしらの問題によって過剰に毛が抜け落ちてしまう事もあります。
抜け毛は病気のサインとなることも有るため、毛並みなどの見た目の問題以外の部分も考慮して抜け毛の原因を考えて行く必要があるでしょう。
まずは抜け毛のタイミングや兆候から原因を考え、そこから食事の栄養面での問題である場合のフード改善方法について、必要な成分の説明なども含めて解説していきます。
おすすめのキャットフードを紹介する前に、抜け毛の原因を知ろう!
抜け毛の原因を探るためには、毛が抜けるという事実だけではなく、タイミングや猫に現れている兆候など複数の要素を掛け合わせることで判断する事ができます。
以下は特に猫の脱毛原因として考えられやすい原因と、判断目安についてです。
猫の抜け毛の原因① ノミダニなどの寄生虫による脱毛
脱毛の原因として、ノミやダニなどの寄生虫の可能性が考えられます。
ノミは猫の体表を移動しながら吸血を行い猫に強いかゆみをもたらします。
ノミは黒い糞を残していく他、ノミ自体もよく見れば目視できるサイズをしているのでよく観察すれば発見することは難しくありません。
また、ダニの場合、疥癬を引きおこすヒゼンダニの可能性があります。
ヒゼンダニは猫の皮膚の中に潜むため直接姿を確認することが難しく、かゆみもノミよりずっと強い特徴があります。
ノミダニによる脱毛の原因はこの強いかゆみによって猫が自分の体を過剰に引っ掻いてしまう事でおきます。
猫がずっと体を痒がってかきむしっていたり、毛の中に黒い糞が見つかるようであれば一度動物病院で駆除してもらう必要があるでしょう。
猫の抜け毛の原因② 白癬などの感染症による脱毛
猫の抜け毛で比較的可能性が高いのがこの白癬による物です。
野良猫などが感染している可能性が高く、抜け毛が増えたり、毛がちぎれやすくなるなど独特の脱毛症状が現れるのが特徴です。
また怪我の傷口から感染する事も多く、猫は本来毛づくろいによって傷口の消毒などを行いますが、毛づくろいのできない顔の傷などが白癬の感染ルートとなってしまう事が多い傾向にあります。
毛がちぎれやすくなる他、赤みを帯びた斑点などが体に現れる点で判別できるでしょう。
白癬は人間にも感染する可能性のある病気ですので、見つけた際は早急に動物病院での治療を受けさせる必要があります。
猫の抜け毛の原因③ ストレスによる過剰な毛づくろいでの脱毛
猫はストレスによる脱毛も起こりえます。
強いストレスが続くと猫は不安を落ち着かせるためにグルーミングを繰り返し行ったり、体を掻く頻度が極端に上がってしまいます。
そのため物理的に健康な毛までちぎれて抜け毛となってしまうのです。
抜け毛の増加とともに落ち着かない様子であったり、不安な様子が増えるようであればストレスを疑った方が良いでしょう。
猫の抜け毛の原因④合わないキャットフードで栄養が不足する事による抜け毛
人も猫も同様に、健康な毛を維持するためには必要な栄養素があります。
毛そのものを形作るための栄養や、毛の生育を助ける作用のある栄養など様々です。
猫にとってその栄養がキャットフードに不足していると、病気やストレスが無くても抜け毛が増えてしまうことになります。
特段の異常が見られないのに抜け毛が多く感じる時は、まずキャットフードを見直すことから考えて様子を見る事が必要になります。
病院に行かなければいけない上記の理由と比べるとこちらは飼い主が直接よく考えて対応してあげる必要があるため、以下ではキャットフードでの抜け毛改善についてまとめていきます。
抜け毛対策におすすめのキャットフードの成分とは
猫の抜け毛を防ぐためにキャットフードに求められる重要な栄養素とその特徴についてまず把握していきましょう。
抜け毛対策におすすめのキャットフードの成分① タンパク質
タンパク質は哺乳類の体の大部分を個性する重要な要素です。
筋肉や皮膚、毛を作るためにも必要な栄養であり、特に元々肉食性の強い動物である猫にはたくさん必要になります。
タンパク質が不足するとまずはより重要な器官である内蔵や筋肉に供給が優先されるので、真っ先に栄養を削られてしまうのが毛であり、タンパク質不足は抜け毛に直結すると言えます。
目安としてはキャットフード100gあたり26g以上のタンパク質が含まれている状態が理想と言えるでしょう。
抜け毛対策におすすめのキャットフードの成分②ビタミンA
ビタミンAは皮膚を健康に保つために必要となる栄養素です。皮膚は毛根を守る部分でもあるため、皮膚の状態が悪くなると毛が抜けやすい状態になってしまうのです。
皮膚の状態が良好になり良く代謝し弾力のある肌を保つことが出来れば猫の抜け毛も起きにくくなるでしょう。
抜け毛対策におすすめのキャットフードの成分③ オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸も皮膚を健康に保つために必要な栄養素です。
ビタミンAは肌の弾力や代謝を良くする栄養素ですが、オメガ3脂肪酸は皮膚の炎症を抑え感染症などから体を守るために必要となる成分です。
オメガ3脂肪酸は主に魚などに含まれる栄養素であり、馴染み深い名前としてはEPAやDHAとも呼ばれています。
キャットフードの選び方を変えて抜け毛にアプローチ
愛猫の毛の状態を良質に保つため、健全な毛の生育を促進し、また体全体の健康のためにも最優先すべきはタンパク質が豊富に含まれている事がキャットフード選びには重要な要素と言えます。
そこから抜け毛にピンポイントに対策するためにビタミンAが豊富なものを選んで肌の状態や代謝を良くし、オメガ3脂肪酸によって肌の抵抗力を高めて肌と毛根を守ります。
この3つの栄養素をしっかり取ることがキャットフードによる抜け毛対策の柱と言えるでしょう。
抜け毛対策におすすめのキャットフード4選
こちらでは上記の3つの栄養が豊富に含まれており、抜け毛対策としておすすめできるキャットフードを5つご紹介します。
抜け毛対策におすすめのキャットフード① カナガンキャットフード
抜け毛対策に必要な栄養素が豊富に含まれており、それに加えて海藻類のミネラルなども配合してある総合的な栄養のバランスに優れたキャットフードです。
抜け毛対策におすすめのキャットフード② シンプリーキャットフード
高タンパクかつ、魚類を多く使っているのでオメガ3脂肪酸が豊富なのが特徴のキャットフードです。
またさつまいもなどの繊維質もしっかり入っているので抜け毛を舐め取ることによって出来てしまう毛玉も糞と一緒に排出しやすくなるメリットがあります。
抜け毛対策におすすめのキャットフード③ モグニャンキャットフード
こちらも高タンパクかつ魚類を主に使ったキャットフードで、白身魚が使われておりオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸が豊富です。ビタミンもA・D・Eと入っており、余分な添加物は入っていないので安心して愛猫に与えることができるでしょう。
抜け毛対策におすすめのキャットフード④ロイヤルカナンフィーラインブリードニュートリションノルウェージャンフォレストキャット
長毛種の猫向けに作られたキャットフードで、毛並みをきれいに保つための栄養をしっかり考えて作られています。
タンパク質は鶏および七面鳥が使われており、オメガ3脂肪酸は魚油によって補われていますし、ビタミンAも豊富です。
わかりやすい症状がない時はまずキャットフードを改善して様子見しよう
愛猫の抜け毛が気になった時は、まず病院につれていくのが最善ではありますが、動物病院の費用は安いとは言えません。
特に目立った症状や行動がない時は病気などではなく栄養不足の可能性があるため、その場合はまず抜け毛対策として有効なキャットフードを与えるようにして様子を見てみるのも良いでしょう。
ダニやノミではないか?斑点や毛がちぎれやすくなることはないか?
執拗にグルーミングを繰り返していないか?などをチェックし、どれにも該当しない時は栄養面の改善が必要である可能性が高いでしょう。