猫の口から少量の出血と大量の涎そして食事量が減っていると感じた時には、口の中に炎症が起きている可能性が高いです。
口の中に炎症が起きることを「口内炎」と呼ぶのですが、放置をすると痛みによって猫がストレスを感じて狂暴化するだけでなく食事がとれなくなるので体が弱ってしまいます。
大切な猫の健康を守るためにも、この記事では猫が口内炎が起きる原因と対処法に加えて、口内炎が起きやすいと感じた時にお勧めのキャットフードなどを紹介します。
猫の口内炎の原因とは
猫の口内炎が出来る原因としては、風邪など病気になった時の薬の副作用や猫にストレスがたまることでも起きますが、やはり最大の原因は口内環境です。
口内環境の悪化にはおもに、「かみ合わせ」と「口内細菌」が挙げられます。
「かみ合わせ」というのは、柔らかい食べ物を中心に与えすぎることで歯並びが悪くなることです。
特に奥歯のかみ合わせが悪くなると、奥歯の一部が歯肉に接触を繰り返すことで炎症が起きます。
「口内細菌」というのは、猫の口の中には数兆個の細菌類が生きています。
その細菌の中には、歯に多大なダメージを負わせる歯周病菌や虫歯菌といった有害な細菌が多いです。
これらの有害な細菌が、猫の口の中で繁殖をすると歯石を生み出します。
歯石を生み出すと繁殖を繰り返し、口内を自分たちの住みやすい環境にするために毒性のある酵素を発生させるのです。
その毒性のある酵素が口内の組織の中に入り込むと、猫の脳から危険信号が送られることで白血球などの抗体細菌が活動をします。
抗体細菌によって口内の毒性のある酵素は無害化されていきますが、その抗体が反応するときに組織が攻撃されることで炎症が広がっていくのです。
口内炎の猫におすすめのキャットフードのタイプ
猫の口内に炎症が広がると、痛みによって食べたものを吐き出すなど満足な食事が出来なくなります。
そういった場合には、毎日の食事に対して工夫をしてあげる必要があります。
一般に販売されているキャットフードの多くは、保存期間の長さと歯を強くすることを目的に食材を固めて作るドライタイプが一般です。
しかしドライタイプだと噛む回数が増えてしまうため、口内炎が起きていると余計に痛みを感じさせてしまうのです。
そこで口内炎が出来た時には、もうひとつのタイプとして流通している「ウェットタイプ」を選ぶことが大事になります。
「ウェットタイプ」は、猫の体に優しい魚肉と野菜を細かくし調味液につけたまま缶詰に詰めたものです。乾燥しているのと違って、食感が柔らかく噛む回数が減るので痛みを感じさせずに食べさせることができます。
ただウェットタイプは保存期間が短いという弱点があり、ドライタイプに比べて値段が高くなります。
ウェットタイプを継続して買うことが出来ない場合には、ドライタイプのキャットフードにぬるま湯を加えてふやかすというのも手です。
ただ口内炎があまりにもひどいと、「ウェットタイプ」を選んでも吐き出す恐れがあります。
もし吐き出してしまう場合には、噛まなくても食べられるように猫の食事専用ミキサーもしくは金属のへらなどで流動食のような形にするもしくは大切な栄養が入っているゼリーを与えるのも良いです。
キャットフード以外で口内炎に対処するおすすめの方法ってある?
口内炎が出来た時にはキャットフードに工夫をするだけでなく、しっかりと治るように飼い主が責任をもって回復させるための生活を送らせてあげる必要があります。
今一度口内炎の原因をおさらいすると、奥歯のかみ合わせが悪くなることによる「かみ合わせ」と口内細菌が繁殖をする「口内環境の悪化」が原因です。
奥歯のかみ合わせが悪くなることによる「かみ合わせ」の場合は、口内の炎症が終わった段階で、歯科医療ができる動物病院を受診してマウスピースで矯正もしくは歯肉に当たっている歯を削ってもらうことで当たらないようにします。
口内細菌が繁殖をする「口内環境の悪化」が原因の場合は、毎日の生活の中でケアをすることで改善をさせます。
そもそも家庭で飼われている猫が口内細菌が増える原因は、猫自身が口の中をケアをする環境が無いことが挙げられるのです。
野生のネコ科の動物は、食事をした後に水を含んで洗い流すだけでなく木の根っこなどの硬いものを噛むことで歯の表面をきれいにする習慣があります。
しかし家で飼われている猫の場合には、歯をきれいにするための道具がないので汚くなります。
そこで家庭で猫を飼うのであれば、ペットショップで販売されている歯ブラシを購入するのです。
そして夜の食事が終わった段階で、歯ブラシに水を付けるもしくは猫専用の歯磨き粉を使ってきれいに磨いてあげます。
そしてペットショップや動物病院には、猫の歯を考えた歯石を落とすためのおやつが販売されています。
この歯石を落とすためのおやつの特徴はキシリトールなど歯石を予防する成分が含まれているだけでなく、歯を強くするのに最適な硬さを持っているのです。
そのため野生のネコ科の動物が木の根っこを噛む習慣と同じく、このおやつを削って食べることで大切な猫の歯が強くきれいになります。
口内炎の猫にオススメのキャットフード5選
口内炎をできるだけ早く治すためには、問題を解消するだけでなく猫が本来持っている治癒力を促進してあげることが大事です。
そこで口内炎を回復させるため、飼い主におすすめしたいキャットフード5選を紹介します。
口内炎の猫にオススメのキャットフード① アース・ペット「にゃんにゃんカロリー」
アース・ペット「にゃんにゃんカロリー」は、年配の老猫を対象にした栄養補助食品です。
老猫になると消化器官が弱るので、大切な栄養を吸収するために野菜や動物性の肉を滑らかな流動食状に仕上げています。
お肉や野菜そして果物を中心に加えているので、猫にとって大切な栄養素が揃っています。
最初は単体で食べさせて栄養を与えていき、口内炎の症状が緩和してきたらキャットフードと混ぜて食べさせると回復が早くなるのです。
口内炎の猫にオススメのキャットフード② 銀のスプーン「三ツ星ジュレ」
口内炎が起きると、猫もストレスが溜まり食事が細くなります。
それでは回復が遅くなるので、もし食が細くなったと感じた時には銀のスプーン「三ツ星ジュレ」がおすすめです。
この銀のスプーン「三ツ星ジュレ」は、厳選した食材をウェットタイプにすることで年齢問わずに食べやすいキャットフードになっています。
そしてジュレとあるように、銀のスプーン「三ツ星ジュレ」の特徴は魚の香りとうまみを凝縮したジュレが入っていることです。
ジュレを入れることで嗅覚を刺激し食欲をわかせるだけでなく、ゼリーによって食材を包むので飲み込みやすくなります。
口内炎の猫にオススメのキャットフード③ スタミノール「スタミノール猫用」
炎症が起きた後の体の回復が遅いときには、しっかりと足りない栄養を与えることが大事です。
そこで足りない栄養を補う際におすすめなのが、スタミノールの「スタミノール猫用」です。
これはチューブタイプの栄養補助食品であり、開封するとゼリー状の栄養剤が出てきます。
味も猫が好みの魚味から鶏肉味などがあるので、猫の好みに合わせて選ぶことができるのです。
ゼリー状なので、口の中に痛みがあっても手軽に栄養補給をさせてあげることができます。
口内炎の猫にオススメのキャットフード④ ワンラック「ワンラックエナジー」
口内炎があまりにもひどいときにには、先に言ったとおりに流動食タイプが良いです。
その時におすすめなのが、ワンラックの「ワンラックエナジー」です。
このワンラックから販売されている「ワンラックエナジー」は、乳に含まれている脂肪分を中心に様々な栄養を粉末にしています。
食べ方は「ワンラックエナジー」の粉末に、水もしくは牛乳を加えて泡だて器で混ぜるだけです。
水分量を多くすると飲み物のように食べさせることができるので、痛みを感じさせずに栄養を吸収させることができます。
口内炎の猫にオススメのキャットフード⑤ アイシア「フリーズドライカツオ」
アイシア「フリーズドライカツオ」は、新鮮なカツオを急速乾燥させて作ったカツオのドライタイプのキャットフードです。
ドライタイプなので固いと感じてしまうところですが、特殊な製法ですぐにほぐれるようになっています。
もちろん水でふやかして食べさせることができるので、症状が重くても安心して与えられます。
1か月以上かかっても治らないなら精密検査を受けさせよう
猫が口内炎になる原因は、歯石や虫歯など口内環境の悪化が挙げられます。
紹介した対処法やキャットフードによって症状を改善に向かわせることができますが、注意してほしいのは対処をしても1か月以上続く場合です。
1か月以上続く場合には口内環境ではなく、ウイルスや免疫不全など猫の体内に重大な病気が隠れている可能性があります。
その場合生活改善では対処できないので、症状が改善できないのであれば猫の健康を考えてレントゲンなど精密検査が出来る動物病院を受診して体を検査してもらうことが重要です。