猫にとって水分がとても重要ということを知っているでしょうか。
人が水なしでは生きていけないように、猫もまた水分を十分に補給できていないと命にかかわることになります。
キャットフードを選ぶときには水分量に注意することも大切です。
この記事では猫にとってなぜ水分が重要なのかをわかりやすく解説し、水分を取りたがらない猫に対してできる対処を解説します。
キャットフードによる対策方法も具体的に紹介するので困ったときにはぜひ参考にしてください。
猫が水分を必要とする理由
猫が水分がなければ生きていけないのはなぜなのでしょうか。
どのくらいの水分を摂取できていれば良いのかと合わせて簡単に確認しておきましょう。
腎臓や尿路の病気になりやすいから
猫は腎臓の病気を患いやすい性質があります。
特に年齢を重ねると臓器の機能低下の影響もあって急性腎不全や尿毒症になりがちです。
また、尿路結石症や膀胱炎も起こしやすい傾向があります。
水分の不足は腎臓の負担を大きくする原因になり、尿路などにできる結石を溶かせなくなる要因になるので水分が必要なのです。
脱水症状になるリスクがあるから
猫は水分が不足して脱水症状になることもしばしばあります。
夏の暑い日には脱水症状になりやすいですが、他にも下痢を起こしたときなどには厳しい脱水症状になって元気がなくなります。
脱水症状は水分補給で回復できるときもあるものの、重度になると命にかかわる症状です。
真夏の場合には熱中症を併発することも多く、体温が上昇して意識を失うこともあります。
十分な水分を取らせるようにすると脱水症状も熱中症もリスクが低くなります。
1日に猫が必要とする水分量の目安
猫が1日に必要とする水分量はおよそ体重から見積もることができます。
3kgなら159ml、4kgなら196ml、5kgなら233mlが目安です。
キャットフードに含まれている水分も含めてこの量は摂取させるように心がけましょう。
猫が水分を取らない時の対策
猫が水分を取ってくれない場合にはオーナーは対策をするのが大切です。
もっと水分を取ってもらうためにはどのような対策ができるのでしょうか。
水の容器や置き場所を見直す
猫に与えている水の容器を変えたときや、置き場所を違うところにしたときは、途端に飲まなくなることがあります。
また、周辺環境が変わったときには、同じ場所に同じ容器を置いていても水を飲もうとしなくなる場合があるので注意しましょう。
他にも容器が体の大きさに合っていなかったり、プラスチックが劣化して臭いがしてきたりしたのが原因のことがあります。
キャットフードと水が近くにあると嫌う猫もいます。
遠くに話してみるだけで改善されることもあるので試してみましょう。
また、近所の人や道端を歩いている人たちの目線が気になって、水飲み場が気に入らないこともあります。
場所を少し変えるだけで喜んで飲み始めることもあるので試行錯誤をしてみましょう。
動物病院に相談する
食欲が低下したり、体調が思わしくなかったりするために水分を取れなくなることもあります。
食事もあまり食べられていないようなときには動物病院に相談するのが賢明です。
口内炎ができていて食べるのも飲むのも嫌になってしまっていることもあります。
胃腸の病気になっていることもあれば、夏バテをしていることもあり、見た目では判断が難しいケースも多いので不安があるときには獣医師に聞いてみるのが大切です。
食事から水分を補給できるようにする
水をあまり飲まなかったとしても食事を通して水分を補給できれば必要量の大半をカバーできます。
キャットフードの選び方によって対策することが可能です。
詳しくは以下で説明しますが、ウェットフードを利用したり、キャットフードを手作りしたりすると水分を補給しやすくなります。
ドライフードを与えているときには挑戦してみると良い方法です。
水分量が多いキャットフード1. ウェットフード
キャットフードによって水分対策をするときにはウェットフードを選ぶのが良い方法です。
80%前後の水分量になっていることが多いので、ウェットフードを与えればかなり水分を補給できます。
ウェットフードの選び方は栄養バランスを重視するのが大切です。
ドライフードは総合栄養食になっている場合がほとんどですが、ウェットフードの場合には必ずしも総合栄養食とは限りません。
完全にウェットフードに切り替えるなら総合栄養食を選びましょう。
少し水分が足りないかなというくらいのときには、ウェットフードを少し与えて水分を補うこともできます。
この場合にはしっかり食べてもらうことが大切なので、食いつきの良さを重視して選ぶのが良い方法です。
水分量が多いキャットフード2. 手作りご飯
水分をキャットフードによって補いたいなら手作りご飯を与えるのも効果的です。
キャットフードの手作りは大変と思われがちですが、やってみると簡単に作れるので市販のキャットフードから切り替えたり、交互に与えたりしてみると良いでしょう。
手作りご飯を与えるときには塩分や脂肪分が多くなり過ぎないようにしつつ、ネギや玉ねぎ、エビやイカ、貝類などの猫には適していない食材を避けて作るのが大切です。
栄養バランスにも注意しなければならないですが、水分量は一般的に50%から80%くらいにはなります。
鶏のむね肉やささみ、マグロやカツオなどの魚類などをメインにして、ブロッコリーやオクラなどを使用してビタミンやミネラルも補給できるようにすると良いでしょう。
卵も少量ならビタミンやミネラルなどの栄養源として優れています。
キャットフードから手作りご飯に切り替えると香りや味が好みに合わずに食欲が低下することもあります。
その際にはドライフードを少し振りかけるのも良い方法です。
総合栄養食のドライフードを少し混ぜるだけで栄養バランスも補えるので上手に活用しましょう。
キャットフードを活用して水分補給を促そう
猫が健康に生きていくためには必要量の水分を摂取していくことが大切です。
脱水症状や腎臓の病気などに悩まされないようにするためにも、日頃から水分の摂取量がどのくらいかを気にかけるようにしましょう。
水をあまり取らなくて困ったときには、キャットフードをウェットにしたり、手作りをしたりするのが効果的な対策です。
病気が原因のこともあるので、不安があるときには獣医師に相談してみましょう。
キャットフードの選び方についてもアドバイスを受けることができます。