キャットフードと言えば、ドライ系のカリカリとウェット系の缶詰が主流ですが、チュールも猫に大人気と言われています。
チュールに目が無い猫が多い一方で、チュールを食べない猫もいます。
チュールを好んで食べていたのに、急に食べなくなったら病気を疑う必要がありますが、好みや習慣のせいでチュールを食べない猫も少なくありません。
なぜチュールを食べない猫がいるのでしょうか?チュールが多くの猫に好かれる理由を解き明かし、一部の猫がチュールを拒む原因と飼い主がとるべき対策について解説しましょう。
目次
猫がチュールが好きな理由
チュールの成分と香り
チュールには、猫の大好きなまぐろ・かつお・シラスといった魚肉や鶏肉が含まれており、猫の食欲をそそります。
さらに、猫が好む旨味の素となるアミノ酸などの調味料・植物油脂・オリゴ糖なども含有されています。
緑茶エキスも消臭成分として入っていて、キャットフード独特の臭みがありません。
こうした成分を含有するチュールは、パッケージを開けた瞬間に猫を魅了する香りが漂うのです。
一般的に、猫は食べ物の好みを味より香りで決める傾向があるので、香りのよいチュールに猫の人気が高いのでしょう。
あまりに猫が夢中になるため、チュールにはマタタビが入っているのではないかと勘ぐる人がいますが、実際には猫を陶酔させるような成分は含まれていません。
犬ほどではないにせよ、人間よりはるかに優れた嗅覚を持つ猫にとって、キャットフードの香りは重要だと言えます。
チュールの香りに魅せられた猫は、その中に苦手な薬が紛れ込んでいても気付かずに食べてしまうほどなのです。
年齢に適したチュール
また、チュールは成猫だけでなく、病気や高齢の猫用の製品もあり、健康状態や年齢によって最適のチュールを選べます。
食欲が低下した老猫であっても、コラーゲンを多く含むシニア猫向けチュールを与えれば、喜んで食べてくれることが多いでしょう。
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チュールを食べない理由は「食べ慣れていないから」
猫の嗜好を徹底的に研究して開発されたチュールは、多くの飼い主から絶賛されているものの、チュールを食べない猫がいることも事実です。
もちろん、他のキャットフードを与えすぎてお腹がいっぱいになっていれば、いくらチュールが魅力的といえども、猫は進んで食べようとはしないでしょう。
単にわがままな性格で、顔を背ける尊大な猫もいます。
チュールなら絶対喜んでくれるはずだと意気込んで与えようとする飼い主の勢いに反発する猫もいるかもしれません。
しかし、チュールを食べない猫の多くは、幼いうちから食べ慣れていないケースが多いのです。
一般的に、チュールは猫が生後6ヶ月を過ぎれば与えて良いとされており、1歳に満たない子猫のうちからチュールに慣れている猫は、チュールを嫌がって食べないということは珍しいでしょう。
6ヶ月未満の幼いうちから、親猫がそばでチュールを美味しそうに食べている姿を見慣れている猫は、チュールに抵抗感が生じないのです。
チュールの匂いを成猫になってから初めて嗅ぐと、違和感を感じるのかもしれません。
猫は食の好みに煩い動物
猫は好き嫌いが激しく、好みの個体差が大きいと言われる動物です。
特に、食べず嫌いの度合いが強く、チュールのように多くの猫に受け入れられているキャットフードでも、匂いを嗅いだだけで背を向ける猫も珍しくありません。
中には、魚系のエサを全く受け付けず、肉類だけしか食べない猫もいます。
特に牛・鶏を好んで食べ、豚肉には鼻先を近づけただけで立ち去る猫も散見されます。
また、猫は保守的で生まれつきの嗜好にこだわりを持ち、人間のように新しい食の分野で好きな食べ物を開拓しようというチャレンジ精神がないのです。
第1印象で自分の好みに合わないと感じたら、それ以降口を付けようとしません。
チュールにもいろいろな種類があって、チュール好きの猫でも、どの商品も好むわけではなく、鶏肉の商品を喜んで食べても、あごだしのチュールには見向きもしないという現象がよく見られます。
なかなか食べない猫にチュールを食べさせる方法
違うタイプのチュールにチャレンジ
自分の好みを変えようとしない頑固な猫が多いのですが、いったんチュールの美味しさがわかると、食欲が高まりその他の健康食も併せて与えやすくなり、飼育のうえでもメリットが大きいと言えます。
チュールは80種類以上もあるので、愛猫の好みに合いそうなチュールを探すことも大切です。
猫に人気のまぐろやとりささみを敬遠する猫でも、ホタテなどのシーフード系のチュールには食いつくこともあります。
様々な食材をブレンドした商品も数多くあり、いろいろなタイプの組み合わせを試してみても良いでしょう。
皿を変えたり少量ずつ慣らしたりしてみましょう
また、チュールの中身は好きなのに、パッケージが気に入らない猫もいます。
こうした猫の対策として、パッケージを開けて食べ慣れた皿に移すと、案外すんなりと食べることもあるのです。
チュールの匂いだけ嗅いで口を付けるべきか躊躇っている猫に対しては、最初にチュールを与えてちょっとでも食べたら、
カリカリなど通常のキャットフードを与えるようにすると、少しずつその順番に慣れてやがて抵抗感なく食べてくれるようになるかもしれません。
子猫の頃からチュールに慣れさせましょう
子猫のうちから飼っている場合は、子猫用のキャットフードを食べさせつつ、たまにチュールの匂いを嗅がせて慣れさせることも効果があるでしょう。
子猫用から成猫用のキャットフードに切り替える時期に、愛猫がキャットフードを食べなくなって飼い主が困ることがあります。
こんな時にチュールで猫の食欲中枢を刺激できたら、食の切り替えも上手くいきます。
飼い主の関わり方
それから、デリケートな神経の猫は、誰からキャットフードをもらえるかという点も重要です。
野良猫の経験が長く人慣れしていない保護猫などは、警戒心が強くチュールの香りに惹かれつつも、見慣れない人から与えられるエサを口にしようとしないケースも見られます。
猫が食べやすい容器にチュールを入れて、人が離れてから食べるかどうか様子を見ることも必要なのです。
愛猫の嗜好を尊重しつつ、チュールの魅力をアピールすることが大切
病気やストレスなどによって猫の食欲が落ちた時や、猫と仲直りしたい時など、チュールを媒介として問題解決できるケースが少なくありません。
愛猫がチュールを好きになってくれると、飼い主も助かる場面が多いでしょう。
売れ筋のチュールをなかなか食べようとしない猫であっても、愛猫の生来の好みを考慮して、愛猫向きのチュールタイプを模索する努力が飼い主には必要です。
パッケージから直接猫に食べさせるのがチュールの醍醐味ですが、最初は皿に移すなど猫が食べやすいように工夫もしましょう。